金や財産、ときには命すら賭けて行われるギャンブル。ギャンブルの魔力は人を狂気へと誘い、破滅へと導きます。そんなギャンブルに魅入られた特別な人間たちや特殊ギャンブルを扱った作品を紹介します。ギャンブルを危ないと思うか、それとも楽しいと思うかはあなた次第です。
賭博黙示録カイジ
1996年から始まり、現在も連載が続いているカイジシリーズ1作目です。伊藤カイジ(いとう かいじ)という青年は、定職にもつかずに自堕落な生活を過ごしていました。 そんな彼の元に、金融業者の遠藤が現れかつて自分が保証人になっていた借金のことを知らされます。その借金が膨らんでおり、カイジに立て替えろと詰め寄るのでした。 もちろん数百万円の借金を払う能力は今のカイジにはありません。そんなカイジに遠藤が持ちかけたのは最初に借金一括返済のチャンスを与えると言うギャンブル船"エスポワール"の中で開かれるギャンブルイベントに参加することでした。 限定ジャンケン・鉄骨渡り・Eカードという3種類のギャンブルをテーマに、カイジは身を滅ぼすギャンブルへと足を踏み入れます。
賭博破戒録カイジ
カイジシリーズの第2弾です。前作で多額の借金を背負ったカイジは、遠藤の元を訪れてギャンブルを紹介するように依頼します。しかし遠藤はもはやカイジに紹介するギャンブルはないと告げ、クスリでカイジを眠らせるとどこかへと連れて行きました。 カイジが連れてこられたのは帝愛地下王国です。脱出不可能な地下施設では、施設利用料や借金返済額を引いた手取りは1日350円という法外な報酬できつい労働をさせられます。粉塵まみれの劣悪な環境は病気になりやすく、まともな医者もいないので病気になったら死ぬしかありません。 そんな場所を脱出するために、カイジはギャンブルによって勝利し、地上に出ることを目論みます。そのために班長である大石と対立し、大きなギャンブルを持ちかけるのでした。 チンチロ・パチンコ"沼"という2つのギャンブルが行われます。カイジは借金を返済し、自由の身になることができるのでしょうか。
アカギ
雨が降る雀荘に現れた中学生の少年・アカギは、後に裏社会を震撼させる雀士になります。この物語は、そんなアカギの半生を綴った物語です。 このとき、麻雀のルールすら知らなかったアカギでしたが、ヤクザの代打ちであるヤギを負かしてしまいます。そうしてアカギは、裏の麻雀の世界に足を踏み入れていくのでした。 アカギがどんなにうまい打ち手であっても、麻雀では運次第であっさり死ぬことがあります。そんな不条理を愛し、すべてを賭ける破滅的なギャンブルこそが、アカギを唯一熱くさせるものでした。 元々本作は『天 天和通りの快男児』に登場していたアカギを主役にしたスピンオフ作品になります。アカギの活躍をもっと読みたい方は、そちらの作品を読んでみるとよいでしょう。
天〜天和通りの快男児〜
福本麻雀作品の原点とも言うべき作品で、本作からは『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』や『HERO -逆境の闘牌-』など、数々のスピンオフが誕生しました。 物語は、2人の主人公・天とひろゆきが出会うところから始まります。雀荘で荒稼ぎするひろゆきを懲らしめるために呼ばれた天は、イカサマによってひろゆきを負かします。見え見えのイカサマに納得がいかないひろゆきですが、何度か天と関わり合ううちに、彼の生き方、そして麻雀に敬意を抱くようになります。 やがて二人が打つ麻雀は、東西のヤクザの代理戦争ともなるほどの大きなものになっていきます。理詰めの麻雀を打つひろゆきと、勝負強さと勝利への意志で戦う天という、2人の対照的な打ち方が魅力的です。 麻雀というギャンブルに賭ける男達の生き様を描いています。
嘘喰い
「あんた、嘘つきだね」の決め台詞で知られるギャンブル漫画の名作です。 この世界には古くから続く賭け事を取り仕切る組織"賭郎"があります。賭郎とは、ギャンブルで勝てたものも敗北者からきっちり取れたているための組織です。この組織があるからこそ、どんな高レートでも、たとえ命を賭けてもギャンブルとして成立するのです。 "嘘喰い"と呼ばれる天才的なギャンブラー・斑目貘(まだらめ ばく)は、そんな賭郎の会員たちにギャンブルで勝ち、莫大な資産と権力を手に入れていきます。彼の目的はただ一つ、賭郎の頂点に立つ"お館様"と呼ばれる存在とギャンブルをすることです。 さまざまなギャンブラーと命懸けで戦う斑目 貘に待つのは勝利か、それとも破滅なのでしょうか。
LIAR GAME
女子大生・神崎直(かんざき なお)の元に小包が送られてきます。その中には「おめでとうございます。あなたは10万分の1の確率をくぐりぬけ、ライアーゲームにエントリーされました」というメッセージとともに1億円が入っていました。 直は計らずしもゲームに参戦することになってしまったのです。対戦相手は直が小学校の頃の恩師でした。恩師に金を預けすべてを任せた直でしたが、ふとしたことで恩師にだまされたことを知ってしまいます。 困り果てた直は、 復讐のために巨大なマルチ企業を潰したという天才詐欺師・秋山 深一(あきやま しんいち)に助けを相談します。直の正直さに胸を打たれた秋山は直に協力し、ライアーゲームに参戦するのでした。 ライアーゲームは2回戦、3回戦とあり、シビアな戦いが待っています。 正直が取り柄りえだけの直と天才詐欺師秋山は、人をだますことで勝利するLIAR GAMEの運営を潰すため、このゲームでさまざまなプレイヤーと戦います。
ONE OUTS
万年Bクラスの弱小球団であるリカオンズに所属する天才打者・児島弘道(こじま ひろみち)は沖縄で自主トレーニングに励んでいたところ、賭け野球で無敗を誇るピッチャー・渡久地東亜(とくち とうあ)と出会います。賭け野球で渡久地と対戦し、1度は敗北した児島でしたが、2度目の勝負で捨て身の戦法でリベンジを果たします。 児島がギャンブルの報酬として渡久地に出した条件は、リカオンズを優勝させることでした。 渡久地はリカオンズに入団し、完全出来高制である"ワンナウト契約"をオーナーと結びました。渡久地を中心に、リカオンズの挑戦がスタートします。 本作は野球をテーマにしていますが、そこにあるのは情報戦や心理戦、反則を含めてルールの裏をかく戦法だったりという盤外戦術の方がメインです。他の球団を出し抜き、渡久地はリカオンズを優勝に導けるのでしょうか。
アプサラス 1
少年・青年マンガ●あらすじ/17年前、託児所の前に男の子が捨てられていた。その小さな手に握られていたのは、二の目に一匹の虎が坐る古びた賽(さい)。遥か昔のインドで祈りをこめて造られた、摩訶不思議な象牙の賽である。現在高校生になった翔は、放課後、託児所「ニコニコ園」で働いている。ある日、そのニコニコ園で小さなトラブルがあった。園に通っている子・シンちゃんの母親が迎えにこないのだ。聞けば父親がギャンブルにはまり、返済のため母親が懸命に働いているらしい。そのギャンブルは、サイコロ賭博のチンチロリン。孫のミナコからその話を聞いた兆治は「カタギの遊びじゃねえなぁ」と心配する(第1話)。●本巻の特徴/翔の持っている賽を見た兆治は、それが賭博の女神・アプサラスの名を冠した幻のサイコロであることに気がついた。その賽を持つ者には女神が微笑むという伝説を知っていた兆治は、翔にチンチロリンを指南。翔に確かな運があることを確認する。そして兆治は、シンちゃんの父親を助けるため、翔を連れて賭博場「CLUB CUBE」に乗り込んだ。イカサマ師たちが渦巻く鉄火場で、翔と兆治の正義のための闘いが始まる!!
アプサラス
夏八木翔(なつやぎ しょう)は、幼少の頃に親に捨てられ、今の養父に引き取られて暮らしていました。翔は養父と友に託児施設"ニコニコ園"で、子どもたちを預かる心優しい高校生です。 ある日、園児の1人・シンちゃんの父親がギャンブルにハマってしまい、返済のため母親が働き、シンちゃんを迎えにこれないというトラブルが発生します。その話を聞いた兆治(ちょうじ)は、翔の持っている不思議なサイコロを使えば、この問題を解決できるという提案をします。 翔が持っていたそのサイコロは、彼が託児所の前で捨てられていたときも持っていたものでした。2の目に虎が書かれている古びたサイコロは、翔の願った通りの目をだすという曰く付きのサイコロだったのです。 そのサイコロを持って、翔はシンちゃんの父親の代わりにギャンブルに挑むのでした。