【ネタバレ注意】『四月は君の嘘』はただの音楽漫画ではない!登場人物や人気の理由!

【ネタバレ注意】『四月は君の嘘』はただの音楽漫画ではない!登場人物や人気の理由!

『さよなら私のクラマー』を描く新川直司先生。少年少女たちの青春の1ページと、夢にかける熱い想いを、爽やかかつ情熱的に描いた傑作漫画。 講談社の『月刊少年マガジン』にて連載、全11巻完結。2012年度マンガ大賞にノミネートされ、2013年、講談社漫画賞少年部門受賞。シリーズ累計発行部数500万部を突破! アニメ化・映画化もされ一世を風靡した『四月は君の嘘』の魅力的な登場人物と見どころをご紹介します。

  • 四月は君の嘘(1)

    少年・青年マンガ
    4.8
    500

    『四月は君の嘘』とは

    あの「ワンピース」の作者である尾田栄一郎先生が称賛したことでも有名な『四月は君の嘘』。母の死後、自分自身の弾くピアノの音が聞こえなくなってしまった少年、有馬公生が、ヴァイオリニストの宮園かをりとの出会いを通し、成長していく姿を描いた青春ストーリーです。 有馬公生は、かつてはピアノ界の神童(=特定分野において驚異的な能力を発揮する人物)とも呼ばれており、どんな困難な曲も、完璧に譜面通りに弾いてしまう実力を持っていた。多数のコンクールでも優勝の経験があったのです。 そんな有馬公生がトラウマにより、ピアノをやめてしまった数年後から物語はスタートします。天真爛漫なヒロイン・宮園かをりとの出会いは、有馬公生の人生をどう色付けていくのか、そして、宮園かをりが隠している真実とは何か。ご自身の目に焼き付けないと、人生損していると言っても過言ではありません。 『ピアノの森』や『BLUE GIANT』など、音楽の世界を描いた漫画を好きな方はもちろんのこと、『はねバド!』など主人公が自分の殻を破って成長していく姿にグッとくる方にもオススメです。

    あらすじ

    完璧な譜面通りの演奏をすることで、かつてあらゆるコンクールの優勝にて優勝していた元天才ピアニスト有馬公生。彼は11歳の秋に母を亡くしてから、演奏中、自分のピアノの音が聞こえなくなってしまった。そして、それからピアノが弾けなくなってしまい、ピアノから離れてしまう。 幼馴染の誘いをきっかけに、14歳の春、破天荒なヴァイオリニスト宮園かをりと出会う。彼女は楽譜を無視し、自分の弾きたいように音楽を奏でる個性的な演奏者だった。その振る舞いは天真爛漫で、傍若無人。半ば強引に公生を伴奏者に任命するなど、ピアノから遠ざかっていた公生を再びピアノと向き合わせるのだった。 宮園かをりの伴奏やコンクールへの出場、母の親友である指導者・紘子さんとの再会やライバルの演奏、幼馴染たちや友人たちの支えなど、宮園かをりとの出会いをきっかけに、公生の日常は次第にカラフルに色づいていくのである。

    魅力的な登場人物

    有馬 公生 (ありま こうせい)

    市立墨谷中学校2年生で、外見は地味で眼鏡男子。幼い頃より、母からピアノの英才教育を受け、多数のコンクールで優勝した経験を持つ。その演奏の正確さから「ヒューマンメトロノーム」と渾名された神童だった。 母の死をきっかけにピアノが弾けなくなってしまった数年後、宮園かをりに出会う。 彼女との出会いをきっかけに、ピアニストとしての自分を取り戻し、新たな表現を手に入れていく。

    宮園 かをり (みやぞの かをり)

    天真爛漫で、傍若無人な有馬公生の同級生。ロングヘアの女の子で、明るく華やかな性格だが、突っ込みが鋭いのが特徴。独創的な演奏をするヴァイオリニストで本人は評価をあまり気にしていない。音楽コンクールで活躍していた有馬公生に憧れており、ピアニストとしての彼を再生させていく。

    澤部 椿 (さわべ つばき)

    有馬公生の同級生で幼馴染。隣の家に住んでいる。 明るく活発的で、ソフトボール部に所属しているショートカットの女の子。 有馬公生を弟のように思っていたが、やがて彼のことが好きだと自覚する。

    渡 亮太 (わたり りょうた)

    有馬公生と澤部椿の友人で、女子に大人気のイケメン男子。サッカー部の部長である。 女性関係はチャラチャラしているが、友達づきあいは大事にしている。 誰よりも周りを良く見ていて、有馬公生に的確なアドバイスをすることも。

    相座 武士 (あいざ たけし)

    少年時代から有馬公生をライバル視していたピアニスト。 毎報コンクールで一度優勝後、憧れでもあり、ライバルでもある有馬公生に勝つために、ドイツのコンクールを辞退して二度目のコンクールに参加する。 ツンツンした髪型といった派手な容姿に似合わず堅実な演奏をする。

    井川 絵見 (いがわ えみ)

    5歳の時に有馬公生の演奏を見てピアニストになることを決意した少女。 非常に勝気で気分屋な美少女である。彼の再生を目の当たりにし、一気に才能を開花させた人物。

    有馬 早希 (ありま さき)

    有馬公生の母。彼が小学生(11歳)の時に他界した。 音楽教室を営み、息子を世界的なピアニストに育てるために、幼い頃より厳しく教育していた。その厳しさは、愛ゆえのことだったと、有馬公生が気づくまでには時間が必要だった。

    瀬戸 紘子 (せと ひろこ)

    日本屈指のピアニストで、公生の母の早希とは音大の同期で親友。 毎報音楽コンクールの一次予選で公生と再会した。その後、彼の先生となる。

    魅力ポイント

    (1)音楽が聞こえてきそうな演奏シーンがすごい

    演奏シーンの臨場感と迫力は圧巻です! 実際に漫画の中から音楽が聞こえてくるかのような錯覚を覚えるほど。演奏者の真剣な眼差しや表情、鍵盤においた指先など、人物たちの行動ひとつひとつが、今にも動き出すのではないかと思えるほどイキイキしているのです。 どこかで聴いたことあるような有名な曲が選曲されているのですが、頭の中で、BGMとして流れてきて、大変心地よい気持ちになります。

    (2)公生のトラウマの克服と成長の過程

    幼い公生に対する母の音楽教育は、大変厳しいものでした。行き過ぎていたかもしれません。それでも、病気で弱っていく母に少しでも喜んでもらいたい一心で公生は練習に励み、コンクールの優勝を勝ち取っていきます。 しかしある時、公生は、母に対して思わず言ってはいけない言葉を口にしてしまいます。直後に母の容体は急変。そのまま帰らぬ人になってしまうのです。それ以来、公生は「ピアノの音が聞こえない」現象に悩まされ、ピアノから遠ざかってしまいます。 宮園かをりとの演奏や、紘子さんからのアドバイスで、公生は母の本当の気持ちに気づきました。それからトラウマと向き合っていきます。カサブタになり、塞いだ傷を再度自らえぐっていく姿は、みていて心苦しい場面も。公生の苦しみやもがく姿は、読んでいて胸が締め付けられました。 宮園かをりと出会い、誰かのためにピアノを演奏をするごとに成長していく公生を、応援せずにはいられませんよ!

    (3)周囲の人々の公生を見守る姿に優しい気持ちになる

    公生を見守る周囲の視線がとても温かく、読んでいて優しい気持ちになります。とくに、幼馴染の椿と渡ふたりの公生を思う気持ちは、近過ぎず遠過ぎず、家族愛のような温かさを感じるのです。 特に渡と公生のあるシーンは惚れ惚れしました!公生の「お願いがあるんだ」に対して「いいよ」と内容も聞かずに即答するあたり、男前すぎる! どんなお願いなのかは、ご自身の目で確かめてもらいたいです!

    (4)宮園かをりの切ない生き方

    『四月は君の嘘』のヒロインである宮園かをり。天真爛漫で、傍若無人だが、少し謎めいたシーンや行動が多いです。 最終回での公生に宛てた手紙の中で、彼女の想いや隠された真相が語られます。この手紙の内容、涙なしで読み進めることができません。

    メディア情報

    TVアニメ

    フジテレビ『ノイタミナ』枠にて2クール放送された。原作の完結に合わせて、アニメも完結まで描かれた。

    実写映画

    2016年に劇場公開。広瀬すず、山崎賢人等、いまを輝くキャストたちが演じられた。主人公たちが高校2年生に設定変更されている。設定に多少の変更があり、原作で重要な役割を演じた武士・絵見・凪が登場しない。

    まとめ

    いかがでしたしょうか。『四月は君の嘘』は大人の枯れた心に、ピュアな感動と潤いを与えてくれる名作です!アニメ化や映画化もされており、普段漫画を読まない方や、少年漫画に触れない方でも読みやすい漫画ですので、ぜひ、騙されたと思って読んでみてください!モノクロの漫画がカラフルにみえるほど、キラキラと輝いた漫画ですよ。

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