大人気のライトノベル『ようこそ実力主義の教室へ』は、マンガ版も発売されています。原作とマンガ版では、話の流れやキャラの設定などに一部違いがあります。この記事では、その違いやあらすじについて紹介します。
「ようこそ実力主義の教室へ」はどんな作品?
このマンガはライトノベルが原作となっています。マンガ化のほかにもアニメ化などもされている人気ライトノベルです。
衣笠彰梧さんによるライトノベルが原作
原作となるライトノベルは衣笠彰梧さんの作品で、イラストはトモセシュンサクさんです。 MF文庫Jから刊行されており、大きく分かれて1年生編と2年生編の2つに分かれています。1年生編は本編11巻、短編3巻、マンガ7巻、画集1冊の販売で完結しており、現在続いている2年生編としては、本編5巻、短編1巻、画集1冊が販売されています。
2017年にはアニメ化も
2017年7月から9月までアニメ放送されており、主人公の綾小路 清隆(あやのこうじ きよたか)は千葉翔也さん、ヒロインの堀北 鈴音(ほりきた すずね)は鬼頭明里さんが演じました。 アニメ化されたのは、1~3巻と4巻、4.5巻の一部ストーリーです。アニメ版のストーリーは、原作とは時系列や内容が変更されている部分があります。
「ようこそ実力主義の教室へ」の見どころは?
『ようこそ実力主義の教室へ』は学園もののライトノベルですが、普通の学園ものとはまた違った見どころがあります。
完全実力主義の学校生活
主人公の綾小路が通う学校では、生徒は実力に応じてA~Dクラスへと振り分けられます。この学校での実力は、生徒の総合力で判断されます。そのため、テストなどで優秀な成績を取っただけでは、Aクラスへ行くことはできません。 もちろん学力も大切ですが、総合力で判断しているため、それ以外のことも重要視されます。授業を受ける態度や遅刻欠席の数、それに対する気持ちなども評価対象となります。その理由からか、進学率や就職率が100%を達成しているようです。 Aクラスが一番優秀なクラスとされており、反対にDクラスが最下級の落ちこぼれクラスとして認識されています。
王道のラノベにはない主人公
主人公の綾小路が在籍するDクラスは、Aクラスを目指し様々な試験やテストなどをこなしていきます。ですが、綾小路だけはAクラスを目指す気が全くありません。その理由は、目立ちたくないからです。 そのため、テストの点数をすべて50点にして出したり、先輩に過去のテストを譲ってもらった際には、自分の名前を出さない様に根回ししたりしています。 堀北やクラスメイトのおかげというようにして自身は目立たないように行動しており、表向きは影が薄い生徒としてふるまっている、少し珍しいタイプの主人公です。
クラス対抗試験の駆け引き
学校の試験といっても、学力を競い合うだけではありません。学校のデータベースでは、学力・知力・判断力・身体能力・協調性の5項目が評価対象となっています。そのため、テスト以外にも無人島での生活や体育祭なども試験の対象となるのです。 なかでも特殊なのは、クラスで1週間のサバイバル生活をする無人島での試験です。長期間の試験が終了したときにポイントを多く残したクラスが勝利となり、クラスポイントに加算されるという独自のルールで行われます。 このような特殊な試験では、行動力や情報収集能力、統率力なども問われます。課題に対して学校側の意図を見抜き、どういった答えを求められているかを考える力が必要となるのです。
「ようこそ実力主義の教室へ」のキャラクター
この作品に出てくるキャラクターは、かなり個性的なキャラクターばかりです。その中でも主要キャラクターの3名を紹介します。
綾小路 清隆(あやのこうじ きよたか)
この作品の主人公です。事なかれ主義を自称しており、影が薄く、目立たない男子生徒です。友人を作ろうとしても作り方がわからず、当初はクラスから孤立気味でした。 感情が読みにくく、どこか達観しているような性格です。しかし、友達が欲しいと思い部活に入ろうと考える、握手に照れるなど男子高校生らしい部分もあります。 学校側からは、学力・運動能力ともに平均と評価されていますが、実際は中学まで"ホワイトルーム"と呼ばれる英才教育施設にいたため、高い学力・運動能力を持っています。しかし、彼は目立ちたくないという理由から、その能力の高さを隠しています。 担任の茶柱先生からは、"Dクラスで一番の不良品"と評価されており、綾小路も自身のことを"欠陥品"であると自覚しているようです。
堀北 鈴音(ほりきた すずね)
黒髪ロングの大人びた美少女で、綾小路の隣の席に座っています。成績もよく試験の面接も高評価であるにも関わらずDクラスへと振り分けられ、堀北はその事に対して不満を持っていました。 しかし綾小路から「他人を足手まといと決めつけ、最初から寄せ付けず突き放している」「相手を見下す考えが原因ではないか」と言われ、堀北本人もそのことを自覚するようになりました。 学校に来たのは生徒会長をしている兄に認めてもらいたいからであり、そのためにAクラスへと昇格する方法を考えています。 クラスで孤立していましたが、クラス全体の協力が必要であると考えを改め、現在はDクラスのリーダー的存在となっています。
一之瀬 帆波(いちのせ ほなみ)
Bクラスの代表で、金髪ロングの明るく元気な美少女です。Bクラスは他クラスと比べ団結力が強いと評価されていますが、それは一之瀬の尽力によるものです。 正義感が強く、CクラスとDクラスの間でトラブルがあった際には、目撃者や証言探しを手伝っていました。 「ウソをついたほうが勝っちゃったら大問題」「話を聞いちゃった以上見過ごせない」という理由から手伝いを申し出るなど、正義感の強さが垣間見えます。また、「Bクラスが協力して証人になれたら、信ぴょう性が高くなる」と自分のクラスの影響力についても把握しています。 Bクラス内では委員長と呼ばれており、彼女曰く「クラス内で勝手に作っただけ」でほかには副委員長と書記もいるようです。
原作やアニメとの違いは?
『ようこそ実力主義の教室へ』は、メディアによってあらすじやキャラクター設定に違いがあります。
主人公の性格
主人公である綾小路は、原作序盤やマンガ版でのみ「友達がほしい」と言ったり堀北に冗談を言ったりしています。女性に対して美人、かわいいと思ったりなど、男子高校生らしく振舞う様子が描かれていますが、原作では3巻以降少しずつ性格に変化がみられます。 アニメ版では序盤から無気力・無感情な人物として描かれているため、原作やマンガ版とは少し違った印象を受けるかもしれません。
色々なキャラにスポットが当たっている
マンガ版では、原作小説だと描かれていないキャラクターも描写されています。綾小路たちのグループにいたAクラスの町田や、Cクラスの真鍋などもいちキャラクターとして描かれています。 また、原作とは異なり、アニメやマンガでは堀北がメインヒロインとして描かれています。原作小説で別のキャラが活躍するシーンも、アニメやマンガ版では堀北へと差し替えられています。
「ようこそ実力至上主義の教室へ √堀北」について
「ようこそ実力至上主義の教室へ √堀北」はスピンオフ作品で、エピローグ含め全12話で構成されています。
堀北鈴音に焦点を当てたIFストーリー
「ようこそ実力至上主義の教室へ √堀北」は「ようこそ実力至上主義の教室へ」と同様に衣笠彰梧さん原作で、サカガキさんが作画を担当しています。堀北の内情や生徒会長である兄への気持ちなどが描かれる、堀北を主人公にしたマンガです。 綾小路から生徒会長ともめた理由を聞かれた堀北は、「兄さんは私のことが嫌いだから」「私の存在が兄さんの評価を落とす」と言います。そんな兄に認めてもらうため、綾小路に協力をしてほしいと告げました。 IFストーリーのためか堀北は綾小路に優しく、協力してくれた綾小路に弁当を作ってきたりと、原作とは少し異なる一面を見ることができます。
思惑と駆け引きが渦巻く学園生活
原作とマンガ版での違いがあるものの、思惑や駆け引きが渦巻いていることに変わりはありません。もともと原作を読んでいた方や気になっていた方は、この機会にぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。