｢パーフェクトワールド　プチキス｣のレビュー・感想

再会した初恋の男性は車椅子に乗っていた……。
ここで恋が終わってしまう女性も多いと思います。車椅子の生活がどのようなものかわからないし、行動範囲の制限や周囲の目線に耐えられなくなることもあるでしょう。
それでも主人公は車椅子の彼と付き合いますが、思っていた以上の苦労が次々と襲いかかってきます。
愛だけでは乗り越えられない、お互いがお互いを不幸にしてしまわないか不安の日々。
私だったら付き合い続けていけるだろうか？　簡単に答えをだせないからこそ、作品の清らかさと重さが胸に響いてきます。

主人公のつぐみが高校時代の初恋の相手・鮎川と再会して、彼が脊髄損傷者になってしまったことを知るという場面から始まるストーリー。
1巻の冒頭の「あなたは障害のある恋ができますか？」という問いかけがとても印象的。自分に置き換えて考えたときに、自信満々にYESと答えられる人はどれぐらいいるだろうか。マンガだからといって美化された世界なわけでもなく、世の中の現状がとてもリアルに描かれています。恋人同士のお互いを思いやる想いや恋人になるまでの心の心情が繊細に描かれており、ただの恋愛マンガでは片付けることができない傑作です。

映画化！久しぶりに会った初恋の彼は車イスに乗っていた。。。
足に障害を持つ初恋の人とのラブストーリー。きっと乗り越えられると覚悟を決めて付き合い始めたとしても直面する問題や心の葛藤が描かれていて、とても考えさせられるお話です。
”普通のデート”ができないなど小さなことが重なって大きな問題となっていく過程などは胸が苦しくなります。実写化されてどのように描かれるかも楽しみな作品です！