テーマが深すぎ…考えさせられるマンガランキング

IS(アイエス)
弟の夫
ぼくらのへんたい

暗〜い感じのマンガが好きな大河内と申します。今回は「性」について書かれたマンガということで、しんどい……となるかもしれません。しかし、読み終わった後に自分の成長を感じること、間違いなしです。

IS(アイエス)六花チヨ

4500人に1人の確率で生まれる、男性と女性の機能を両方持った性「IS(インターセクシャル)」。彼らは自分が男なのか、女なのかがわからず、誰にも言えず葛藤している……。
ISである登場人物だけでなく、彼らを取り囲む人々が思い悩みながら前を向こうとする姿を見ると、涙が止まらなくなります。特に、ISであることを公開して生活している「春」のエピソードは素晴らしいです。
もしISの人々と出会ったなら、どう接して行けばよいのか?そのようなことを深く考えさせられるため、1位にさせて頂きました。

IS(アイエス)の画像

弟の夫田亀源五郎

親子である弥一と夏菜、そして弥一の「弟の夫」であったマイクの交流を書いた作品。弥一は戸惑いながらも、夏菜と共に、マイクと良い関係を築いていきます。
しかしこの作品の本当のテーマは、「無意識の言動に出てしまう差別意識」。弥一は様々な人との会話をするうちに、「ゲイ」に対する差別が、自然と出ていることに気づきます。このことは、私たちが普段そのような言葉遣いをしていないかということを、見直すきっかけになると思います。ゲイに関するミニコラムもとても勉強になります。

ぼくらのへんたいふみふみこ

ネットで知り合った女装男子、まりか、パロウ、ユイ。彼らはなぜ女装をするのか、その理由を中心に広がる人間関係を描いた作品です。
この物語の面白い点は、どの人物を中心に見るかで、話が変わっていくところです。まりかを中心に見ると性同一障害に悩む少年の話、パロウは同性愛、ユイは家族の問題になります。そして彼らの周りの人々も恋愛や身体の問題に苦しんでいて、徐々に話は深くなっていきます。ふみふみこ先生の絵柄も可愛らしく、読んでいてとても癒されます。

テンペスト阿仁谷ユイジ

Y染色体が消滅し、女性のみとなった世界。その中で唯一の男性として生まれた安斎・Y・姫と、人類を存続させようとする女性たちの物語です。
遺伝子や出産の仕組みに関する設定が、とても細かくされています。そのためSF作品ではありますが、現実味があり、実際にこのような事態が起こるかもしれない、と考えさせられます。女性たちの恋愛も見どころです。特に安斎・Y・姫とヒロイン、伊集院・R・皇の関係はとてもいじらしく、思わず応援したくなります。ラストシーンがかなり衝撃的なので、ぜひ最後まで読んで頂きたいです。

特装版「親なるもの 断崖」曽根富美子

戦争が近づく中、北海道室蘭の遊郭で生きる女性達の物語、そして、戦争に疑問を持ちながら、巻き込まれていく少女の物語です。
彼女たちは差別や、貧困の中での出産など、様々な困難に立ち向かわねばならなくなります。しかし、強い意志と希望と共に、女性であることに自信を持って生きていく彼女たちの姿は、読者に大きな勇気を与えてくれます。