大切なものほど失ってから気づく…珠玉の失恋マンガ特集

失恋ショコラティエ
僕の初恋をキミに捧ぐ
砂時計

IT化、ゆとり世代、婚活…あらかじめ予想できるリスクを回避する「安定志向」を持つ人が多い時代。でも、人生は何が起きるかわからないからこそ、告白をして振られてもまたチャンスが巡ってくるし、もう絶対に失いたくないと思う気持ちが、誰かを大切にしたいと願い続ける原動力になるのかもしれません。

失恋ショコラティエ水城せとな

他人から見たら、「そんなくだらないことに引っかかってないで、さっさと前に進みなよ」と思えることでも、当の本人は他人から口を挟まれたくないもの。
本作に登場する主人公の爽太は、若くして天才と呼ばれ、開業した店が是好調のイケメンショコラティエ。でも本当は、大好きな初恋の相手サエコに直球勝負して、傷ついた心は癒えないどころか、ますますドツボにハマり、今も過去に囚われていまます。甘くないけど奥深い、まるで上質なショコラのような王道“失恋”マンガです。

失恋ショコラティエの画像

僕の初恋をキミに捧ぐ青木琴美

子どもの頃って、なぜか病弱な人が気になったり、カッコいいと思えたりするものです。でも、身近な、それも凄く大切な人がもうすぐ死ぬと言われたら…大人以上に受け入れられないし、諦められないものです。
作中では逞が繭を、繭が逞を思う気持ちは、はじめはただの感傷に見えるかもしれません。でも相手を想って別れを選択したり、再び惹かれ合って愛を誓う姿の中に、本当の愛の秘密が隠されている気がします。

砂時計芦原妃名子

今の時代、「一人でも立って歩ける自立した人間になりたい」と思って頑張った経験のある人は多いと思います。でも、しっかりしている人ほど、実は問題を抱え込み「しんどくて先が見えない…」と落ち込み、自分を追い詰めてしまっているものです。そんなときに、ありのままの自分を認め、”かけがえのない存在”を教えてくれるのが「砂時計」です。悩んでいるときほど人を頼ってはいけないと思いがちですが、心のままに、求めたっていいんです。

砂時計の画像

グッド・バイ羽生生純

好きな人に告白して振られたらどうしよう……そんな恐怖心から、失恋することもできないまま終わった恋に後悔している人のお話。
太宰治の未完の小説を、舞台を現代に移して完結させたこの作品では、ある男が、なかなか本当のことを言えず不倫を続けていたら、最後に“最も大切なもの”を失ってしまうという、実際に起こったらとても怖い話が描かれています。
でも最後は、不倫なのに心がスッキリ!驚愕のラストは必見です。

ハチミツとクローバー羽海野チカ

一度読み始めたら最後、嫌でも青春真っただ中に引き戻されるマンガです。
東京の美大生・竹本は、同じアパートに住む仲間と過ごす日々の中で、同級生のはぐみことはぐちゃんに出会って憧れ、「自分なんかに手が届く子じゃない」と思いながらも淡い恋心を抱いています。
でも、彼女とともに切磋琢磨することで迷いながらも自分の生き方を見つけていきます。
今の人生に納得がいかないという人は、このマンガにじっくりと浸って、竹本の気持ちを考えてみることで、自分がこれから何をしたいかを見つけるヒントになるのかもしれません。