BL初心者にもおすすめの人気漫画『仁藤と田塚の日常』について、気になるあらすじや登場人物を紹介します。砂糖と塩の描く、ピュアな幼なじみBLの魅力をまとめました。友情と恋愛で揺れる2人の恋模様から目が離せない作品です。
『仁藤と田塚の日常』の概要
砂糖と塩が描く『仁藤と田塚の日常』は、幼稚園からの幼なじみ同士の恋を描いた青春BL漫画です。そんな本作品について、まずは概要を確認してみましょう。
BL系Webマガジンで連載
『仁藤と田塚の日常』は、BL系Webマガジンやコミックサイトで連載している話題の漫画です。 幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた友達に、恋心を打ち明けるのはとても勇気のいることです。『仁藤と田塚の日常』にはそんな恋の切なさや、関係を壊してしまうのではないかという不安などが丁寧に描かれています。 元々配信されていた漫画に加筆修正を加えてコミックス化したため、前からファンだった人はもちろん、今から読み始めるという人にもおすすめできます。
『仁藤と田塚の日常』あらすじ
読んでいて思わず主人公たちを応援したくなるようなピュアなBL漫画のため、過激なBLが苦手という人も安心して読めるでしょう。 そんな純粋でかわいい『仁藤と田塚の日常』について、気になるあらすじを紹介します。
幼なじみで仲の良い仁藤と田塚
仁藤(にとう)と田塚(たづか)は、幼稚園の頃から何をするにも一緒という親友同士でした。周囲にはいつも笑顔が溢れ、常に自分の前を行く仁藤に、田塚は幼い頃から憧れていたのです。 そんな幼なじみの仁藤と田塚は、中学3年生になっても仲よくつるんでいます。田塚の家でゲームをしたり漫画を読んだりと、男友達同士の他愛もない時間を過ごしていました。
田塚に告白される仁藤
高校受験を控えた中学3年生の冬、仁藤は最近田塚に避けられているのではないかと感じるようになります。共通の友人である中平(なかひら)とばかり話している田塚に、仁藤はもやもやとした気持ちを感じるのです。 田塚に誘われて3人でクリスマスに出かけることになりますが、仁藤は乗り気ではありません。 そんなクリスマスの日の帰り道、中平とはぐれた隙に、田塚は仁藤に自分の気持ちを告白するのでした。
仁藤は田塚を振る
仁藤は、田塚が中平とばかり話していたのは自分への気持ちを相談していたからだと知ります。2人の計画に苦笑いを浮かべた仁藤は、思わず内心で「逃げたい」と感じてしまいました。 友達としては好きだけど、恋愛感情ではないと感じた仁藤は田塚の告白を冗談だとはぐらかそうとします。しかし、田塚はボロボロと涙を流して「冗談じゃない」と、本気の恋心をぶつけるのです。 田塚の本気の思いを知った仁藤は、自分も本気で答えなくてはと考えます。そして改めて恋愛対象として見れないことと、これからも友達でいたいということを伝えて田塚を振るのでした。
大学生のときに再び巡り会う2人
田塚の恋心に戸惑いながらも、仁藤は今まで通りに友達として接しました。田塚が好きでもない女生徒と付き合ったことを怒ったり、田塚に抱きしめられたりしましたが、そのまま連絡を取らず疎遠になっていきます。 そして2人が再び巡り会ったのは、大学生になってからでした。車の免許を取得するために入った自動車学校で、仁藤と田塚は再会します。 田塚と一緒にいると楽しいと素直に感じてしまった仁藤は、ずっと誤魔化し続けてきた自分の気持ちに、ようやく気付き始めるのでした。
『仁藤と田塚の日常』登場人物
『仁藤と田塚の日常』に描かれた主人公たちはどこにでもいそうな普通の男子ですが、とても魅力的です。 純粋な思いを大切に育てていく登場人物2人について、その性格や魅力を見ていきましょう。
仁藤(にとう)
黒髪が特徴的な仁藤は、幼稚園の頃からの親友である田塚とつるんでいます。一見普通っぽい仁藤ですが、実は幼い頃から誰に対しても親切で優しい性格です。 田塚の告白を受けたとき、恋愛対象として見れないと1度は振りましたが、次第に彼への気持ちを自覚していきます。無意識に近い距離になってしまったり、口移しということも気にせずジュースを飲ませたりと無防備です。 抱きしめられてドキドキしたり、口元に触れられて赤面したりと、気持ちに気付いてからは照れ屋な部分が出るようになりました。田塚の周りにいる女性に嫉妬をするなど、自分でも気付かないところで恋心が漏れてしまうタイプです。
田塚(たづか)
ふんわりとした薄い色の髪が特徴の田塚は、女性が放っておかないイケメンです。小さな頃から常に自分の前を歩く仁藤のことを尊敬して憧れると同時に、一途に思っていました。 仁藤に対して独占欲が強く、中学時代は秘かに「お前らなんかより仁藤のこと知ってんだぞ!」と友人たちに嫉妬心を抱いていました。次第に自分の気持ちが友情や憧れとは違うものなのだと気付き、葛藤するようになったのです。 仁藤が喜ぶ顔を見たい、嫌われたくないという思いが強く、友達の関係が壊れてしまうことを恐れています。思いを抑えきれず抱きしめたりキスをしてしまったり、交際してからは人前でも堂々と手をつなぐなど、意外と大胆な行動に出るタイプです。
『仁藤と田塚の日常』の魅力
読んでいて何度も胸がしめつけられるようなシーンが登場する「仁藤と田塚の日常」ですが、一体どのような点が魅力的なのでしょうか。本作品の見逃せないポイントを解説します。
数年越しに成就する時間差の恋
本作品の特徴の一つとして挙げられるのが、主人公たち2人の恋を中学生から大学生に渡って丁寧に描いているところでしょう。 中学生の頃、田塚が仁藤に告白をして振られるところから物語が展開していき、別々の高校へ入学してすれ違う様子から、離れ離れになって初めて気持ちに気付く大学生に至るまで数年間を描いています。 初めは田塚の片思いから始まった恋ですが、時間差で仁藤が気持ちに気付いていく様子は、読んでいて感情移入してしまうことでしょう。
同性を好きになることに真摯に向き合う姿勢
BL漫画というと過激なエッチシーンや濃厚な恋愛を描いていることが多いイメージですが、本作品は非常にライトなタッチで描かれた作品です。 ライトなBLですが内容はしっかりとしていて、同性を好きになってしまった戸惑いや葛藤、相手の気持ちを受け入れられず苦悩するシーンなどが丁寧に描かれています。 特に印象深いのが、仁藤の高校の同級生・谷口(たぐち)が同性の後輩への思いを打ち明けるシーンです。「人が人を好きになるのって普通のことだろ」と仁藤は励ましますが、実は内心で誰よりも性別を気にしている自分に葛藤しています。 同性を好きなるというBL漫画では当たり前のことに、真摯に向き合っていく姿勢が胸を打つのです。
一途で真剣な互いを想う気持ち
男同士の恋が育っていく過程を丁寧に描いた「仁藤と田塚の日常」は、人を一途に想う気持ちの温かさを感じられる作品です。 BL漫画に慣れていない人はもちろん、ハードなBLに飽きてしまったという玄人腐女子の人にもおすすめできます。 ぜひ1度読んで、心がキュンとなる感覚を味わってみてはいかがでしょうか。