『セブンデイズ』は男子高校生同士の一週間の恋愛模様を描いた作品となっています。ピュアな恋愛にスポットを当てた本作はBL初心者におすすめの作品として人気が高いです。今回はそんな本作のあらすじや見どころ主要な登場人物の紹介などをしていきます。
「セブンデイズ」あらすじ
『セブンデイズ』の大まかな流れを解説していきます。交際していく二人の男子高校生がどのように出会い、距離を縮めていくのか見ていきましょう。
軽い気持ちから付き合うことになった2人
篠弓弦(しの ゆづる)はある月曜日に部活の後輩である芹生冬至(せりょう とうじ)に関するある噂を思い出します。 それは、冬至は月曜日の一番最初に告白してきた相手からの告白を必ず受けるが、1週間きっかりで別れてしまうというものでした。 弓弦はその日偶然話す機会があった冬至に好奇心で告白してしまいます。 冬至の返事を待つ間に邪魔が入ってしまい、告白はうやむやになってしまいますが、彼が弓弦に連絡先を聞いてきたり、休み時間ごとにわざわざ弓弦に会いにきたりしていく中で、弓弦はなんとなく自分たちは付き合っている状態だと察するようになります。
1週間限定の恋人の噂は本当なのか…
最初は友人と同じように接していた二人でしたが、日が進むに連れて気持ちが変わっていきます。 弓弦は最初、純粋に楽しみたい気持ちで冬至との交際期間を過ごそうと思っていましたが、冬至が待ち合わせ場所に女子といるのを見てイラッとしたり、冬至が昔好きだった女性である"紫乃"と連絡を取っているところを見て嫉妬したりと、徐々に友達の枠を超えた感情を彼に対して芽生えていきます。 冬至の方も弓弦の容姿からは想像がつかないガサツな部分や、普段は垣間見えない可愛いところに気づいていくうちに、彼にどんどん惹かれていきます。二人の距離が縮まっていく中、金曜日にある出来事が起こります。この出来事をきっかけとして、二人はお互いを思う気持ちが恋から来るものなのか、それとも友情からくるものなのか分からなくなってしまうのです。
尊い…と感じてしまう見どころは?
『セブンデイズ』ならではの魅力を解説していきます。本作は一週間という期間の中で交際していくという特徴の他にも、高校生同士のピュアな恋愛や、一週間の間で揺れ動く繊細な気持ちなど、非常に魅力的な特徴が随所に見られる作品となっています。詳しく見ていきましょう。
短いようで長い1週間
本作は一週間という限定的な期間での交際を描いた作品となっていますが、その間に揺れ動く二人の心理描写が細やかに描かれていて、非常に濃密が内容となっています。一緒に下校したり、デートしたりしていく中で、交際している時だからこそ見つけることのできたお互いの魅力的な部分や、逆にダメな部分などが浮き彫りになっていきます。 そして、次第に二人はお互いのそんな部分を愛おしく思うようになり、やがてこの気持ちは友情からくるものではなく、それ以上の特別な気持ちを秘めていることに気づいていきます。果たしてこの気持ちの行き先はちゃんと相手に届くのでしょうか。『セブンデイズ』は一週間という短い期間だからこそ描かれる濃密な心理描写が魅力の作品です。
高校生同士のピュアな感情
『セブンデイズ』は、今まで女性と付き合っていた二人が、なんとなく始まった一週間の交際の中で、同性であるお互いを特別な存在だと思い始めるまでの繊細な心の動きに焦点を当てた作品となっています。そのため、本作は直接的な表現が非常に少ない作品です。 ですから本作はBL作品に興味はあるけど、直接的な表現が苦手な方におすすめできます。また、本作で作画を担当している宝井理人さんの絵はとても魅力的で、特に美少年が好きな方におすすめできます。
最後まで揺れる心情は必見
衝突を繰り返しながらも、二人は徐々に気持ちを通わせていきますが、金曜日に起こった出来事を境に、それぞれの気持ちが揺れ動いていきます。 冬至は来週以降もこのまま交際を続けていきたいと思っています。一方、弓弦もこのまま交際を続けていきたいと思っていますが、冬至は"紫乃"のことをまだ好きだと思っているので、自分たちは別れてしまうと心の中で思っています。二人の本当の気持ちは一緒のはずですが、微妙な気持ちのすれ違いが原因でそれを中々伝えられずにいます。 そんな不安定な気持ちを引きずったまま、二人はついに週末を迎えてしまいます。果たして二人は気持ちを打ち明けることができるのでしょうか。
等身大の魅力を感じる登場人物
ここでは交際をスタートさせる二人の登場人物について紹介していきます。イケメンで魅力的なキャラクターも本作の魅力を語る上では欠かせません。
篠弓弦(しの ゆづる)
邦華学園の三年生です。元弓道部で現在は引退しています。弓道の実力はかなりのもので、彼はこの高校に特待生として入学が認められていたほどです。 上品な顔立ちをしていますが、その見た目からは想像がつかないほどの大雑把な性格で、人に合わせるのを極端に嫌がります。 そのため、弓弦の容姿に惹かれた女性も彼の中身を知ってしまうと、彼の元を去ってしまうのです。
芹生冬至(せりょう とうじ)
邦華学園1年生で弓弦と同じ弓道部に所属しています。弓道の実力は弓弦と同じかそれ以上ですが、部活にあまり顔を出さないため、部員から反感を持たれています。 かなりの美形のため、学年問わず女子からの人気が非常に高い人物です。 月曜日の最初に告白してきた相手と必ず付き合いますが、週末には必ず別れてしまうという噂があります。 かつて兄の恋人である紫乃(しの)と関係を持ち、捨てられてしまった過去があるため、弓弦の事を篠と呼ばず弓弦さんと呼んでいます。
切なく淡い青春を感じてみよう
弓弦と冬至は、日を追うごとにお互いの好意を自覚していきます。しかし、同時にそれを上手く相手に伝えることができないもどかしさもあり、読んでいてとても切ない気持ちになります。 一週間という短い期間の中で二人の気持ちがどのようにつながっていくのか非常に読みごたえのある作品となっています。 “仲の良い先輩後輩”と”恋人同士”の間で揺れ動く二人の気持ちは、はたしてどこに行き着くのでしょうか。 読んでいて胸のときめきが止まらなくなる本作『セブンデイズ』をぜひご覧だください。