ここではないどこかの珠玉の恋愛物語5選

作者の途方もない魂の熱量が振り絞られて描かれていることが伝わって来て、読んでいて震え、圧倒されてしまう作品です。
男女が通常の生殖行為による繁殖のできなくなった、終末期の未来世界を舞台に繰り広げられる生と死と愛の物語。
そんな中で、主人公の青年は人工生命の少女と愛を育んでいきます。
壮大で過酷な世界の片隅で、二人の過ごす穏やかな時間の掛け替えのない尊さに胸を打たれます。
どこまでも真摯で切なく、生けとし生けるものを謳う物語。

こんなにも読んでいて続きを捲る手が止まらなくなってしまう作品もそうそうありません。まだこれを読んでない方は本当に幸せです。
昨年完結した『7SEEDS』の田村由美先生の最大の代表作。『7SEEDS』同様に絵柄こそ少女マンガですが、その壮大な世界観・魅力溢れるキャラたち・卓越したドラマ性は男性が読んですら魅了されるもの。
彼氏や旦那さんと一緒に読んでも盛り上がれること間違いなしです。
クライマックスのセリフ一つ一つが胸を捉えて話しません。

二年連続で某有名ランキングにて1位を獲得した岩本ナオ先生。こちらは昨年1位になった作品です。
とりたてて美男美女ではない朴訥とした主人公カップルが紡ぐ温かさを感じさせる営みがどこまでも気持ちいい恋愛マンガ。
岩本先生の生み出す空気感の豊かさは素晴らしいにもほどがあります。
世界に存在する優しさを感じ、信じさせてくれる作品。多くの人に手放しでお薦めできます。

様々な傑作を描かれている篠原千絵先生の中でも最高傑作の呼び声高い名作です。
ヒロインの中学三年生の女の子が、紀元前14世紀のオリエントにタイムスリップするところから始まる物語。
ヒッタイト人やその暮らしぶりなど、教科書を読んでもピンと来なかった部分がこの作品読んで実感を伴って立ち現れ、非常に親近感を持てるようになりました。
過去の異国の地で、一人の少女を待ち受ける運命をひとたび追い始めたらもう止まれないことでしょう。
ラストから得られる教訓は、今の時代にも何ら変わることのない人間の本質を考えさせられます。

紀元前の大陸がモデルとなった架空の国を舞台にした物語。
過酷な運命に翻弄される少女と、そんな彼女を助ける少年と青年を中心に描かれる物語です。序盤から目の離せない展開が続き、切々と描かれる感情の堆積には思わず涙してしまう所も。
このマンガの中には、確かに人間が息衝いています。彼らの想いや覚悟に胸打たれます。
15巻で完結とそこまで長すぎず、しかし読み応えはたっぷり。強く推薦したい一作です。最終巻の通常版には収録されていないもう一つの結末は、限定版またはベツコミの2017年2月号にて。