水城せとな先生のマンガの魅力は、その絵の美しさだけではありません。繊細な心理描写や、秀逸なセリフ回し。とにかくウェルメイドな作品ばかりなんです!
この機会に水城先生の新たな魅力を再発見してみませんか?
主人公ソータが一途に思い続ける女・サエコの嫌な女っぷりがすごい!可愛い顔して人の好意を利用しまくります。もー!ソータ!そんな女は忘れようよおおおお!と感情移入しまくって主人公の幸せを祈りたくなります。
本作の見どころはサエコの悪女っぷりと、美味しそうなチョコレートのふたつだと思います。サエコ、おめえ、美味しいとこだけ味わってんじゃねえ!
やっぱり水城先生はセリフが上手い!と感じさせられた一冊がこちらです。
アラサー女子いちこの頭の中には、年齢も性別もバラバラの5人の住人が住んでいて、常に会議が行われています。
この5人の発言が「分かるー」と共感できたり、「イタイところを突かれたなあ」とズバリと指摘してくれたり、切れ味抜群なんです。他人の頭の中をのぞいているようなワクワク感があります。
顔だけを武器に田舎から上京してきた有坂うらんが、美形限定の格安アパートに入居するところから物語ははじまります。
水城先生の描くイケメンが大好物の私からすると、大満足の設定です。イケメン・美女ばかりが登場するので、目の保養になります。
ルックスしか自信がなかったヒロインが、アパートの住人たちとの交流を通して、本当の自信を身につけていくところも良かったです。
1900年代のウィーンを舞台に、ヴァンパイアになってしまった歌手の恋愛と苦悩を描いたかと思えば、現代を舞台に教え子と教師の許されない恋が描かれます。
それらの物語が絡み合いながら、複雑で壮大なストーリーが紡がれていきます。2017年には舞台化もされた、本作は、水城先生の作品の中でも最もロマンチックな作品だと思います。
いわゆるBLマンガのジャンルに入るのだと思いますが、水城先生の手にかかるとこんなに切ない話になるなんて…。BL特有のご都合主義は一切ありません。
主人公の優柔不断男子と、主人公の弱みを握り、関係をせまる元・大学の後輩の関係性がリアリティたっぷりに描かれています。
BLマンガは、女性の影が一切出てこないものも多いですが、本作では主人公の妻も人としてちゃんと描かれていて、そういった点も好感が持てました。