音楽は自分が演奏したり、聞いたり、批評したりする以外にも楽しみ方があります。それは、想像することです。
美しい調べが頭の中で広がり、想像力を掻き立てるマンガをご紹介します。
主人公が合唱部の練習を初めて聞いたとき、感動で涙してしまうのですが、実際に聞こえているわけではないのに美しい歌声が聞こえてくるような錯覚におちいってしまうほど、表現力の卓越したマンガです。
中学生という難しい年代の少年少女たちの心の機微が丁寧に描かれていて、鎌谷悠希先生はなんで昔の気持ちをこんなに覚えているんだろう、と不思議になるほどです。
マンガの神様として知られている手塚治虫先生の最後の作品は、本作『ルードウィヒ・B』と『ネオ・ファウスト』の2作だと言われています。
本作は、病床の手塚治虫先生が最後の力を振り絞って描いた作品です。
未完ではありますが、天才ベートーヴェンの生涯を天才手塚治虫先生が描いたということで、迫力満点の傑作に仕上がっています。
ちょっとクセのある絵柄なので読むのをためらう方もいるかとは思いますが、騙されたと思って一巻を読んでみてください。
端的に言って、かなり面白いので!
破天荒すぎるジジイ指揮者や、アクの強すぎる奏者たちなど、キャラが濃すぎて、笑えるシーンも盛りだくさん。
全体的にコメディタッチなのですが、登場人物たちの音楽へのそこはかとない愛が伝わってくるのは、作者が音楽を愛しているからなのでしょう。
『天然コケッコー』など人気作が多い漫画家のくらもちふさこ先生の音楽マンガです。
主人公はピアニストの家系に生まれながらも、自分には才能が無いと思いこんでいる女の子。かつて恋していた男の子がライバルになったり、女子から嫌がらせをされたり、苦難を乗り越えながらも、ピアノの才能を伸ばしていきます。
くらもち先生自身が、ピアノの経験者でショパンに憧れを抱いて本作を描かれたとか。音楽愛が溢れる一作です。