今や世界でも人気の高い日本食になった握り寿司。簡単そうな料理に見えて「飯炊き三年握り八年」と言われるほど、寿司職人の修業は過酷なものだそうです。 人気料理でありながら、実は奥が深く、思いのほか知らないことも多い寿司の世界。 ここでは、寿司のことがもっと好きになる、お寿司を食べたくなるような、お寿司を題材に取り扱った漫画を10作品ご紹介します。 読んだあと、お寿司を見る目がきっとかわるはずですよ。
将太の寿司(1)
少年・青年マンガ寿司職人の修業は「飯炊き三年握り八年」と言われる程、非常に過酷なものだそうです。 『将太の寿司』は、高校を中退した18歳の将太が一流の寿司職人になるために奮闘し、成長していく様子を描いています。 まだまだ将太も新米の寿司職人見習いである序盤は、非常に丁寧に寿司についての知識が描かれていくので、寿司とはどのような料理なのかについて、詳しくなれること間違いなしですよ。 中盤からはトーナメント戦が中心になっていくので、バトル要素や創作寿司など、少年漫画の要素も強くなってきます。 「寿司職人コンクール」を勝ち上がり、日本一の寿司職人になることがこの作品の最大の物語ではありますが、その合間に挟まれる、登場人物たちの人間ドラマも必見。 料理漫画ながら、主人公とともに成長していくような感覚を味わうことが出来ます。寿司漫画としても、少年漫画としても面白い、一粒で二度美味しい作品です。 作者は『ミスター味っ子』や『喰いタン』でも有名な寺沢大介先生。その美味しそうな料理描写や独創的なお寿司の数々も必見ですよ。
江戸前鮨職人 きららの仕事 1
少年・青年マンガこちらも『花寿司の幸』と同じく、女性寿司職人を主人公にした漫画です。 幼いころに母を亡くし、寿司職人である祖父に育てられたきらら。ある日、祖父が病気で倒れてしまったため、店を一人で切り盛りしようとするも、経験不足の彼女にそんなことが出来るはずもありません。 祖父の口添えで、地方の名店で修業をすることになるのですが、なんとその店もお客さんはほとんどおらず、話を聞いてみれば、回転寿司チェーン店の勢いに押されて潰れてしまいそうとのこと。 きららはそのチェーン店のオーナーで、確かな腕を持つ職人でもある慶太と勝負をし、奇跡的に勝利。その勝負をきっかけにきららは、寿司の奥深さを知り、本格的に寿司職人としての道を歩んでいくことになります。 寿司のうんちくを交えつつも、物語は寿司を題材にしたバトルが主体で、王道少年漫画のような熱さがあります。他のグルメ漫画と比べて、サクサク読めるその気軽さもおすすめですよ。
すしいち!(1)
少年・青年マンガ寿司と聞いてまず先に思い浮かぶのは「握り寿司」ではないでしょうか。実は握り寿司、寿司の中では歴史の浅い食べ物で、作られ始めたのは江戸時代と言われています。しかも、高級品のイメージが今でこそありますが、当時はお手軽に食べられるファストフードでした。 そんな、握り寿司が考案された江戸時代後期のお寿司屋さんを舞台にした漫画がこの『すしいち!』です。 主人公は、元江戸城の御膳料理人だった鯛介。そんな彼が働く店「菜の花寿司」の様々なお客さんたちが、彼の寿司を食べることによって、様々な悩みや葛藤を解決していくという、ヒューマンドラマを描いた作品となっています。 江戸前寿司のうんちくも多彩で、美味しそうな寿司の描写は必見です。作者は小川悦司先生。前作『中華一番!』でも見られた、リアクション芸的な美味しさの表現も健在です。 読めばきっと握り寿司が食べたくなる、そんな素敵な作品です。
江戸前の旬 1
少年・青年マンガ銀座にある寿司屋の職人が成長していく姿を描いた『江戸前の旬』は、2019年現在なんと90巻を超える超長期連載漫画です。 銀座の寿司屋「柳寿司」の二代目である父が倒れたことをきっかけに寿司職人になることを決意した、三男坊の旬。この作品は、旬が寿司職人として修業を積んで、成長していく姿を描いています。 寿司屋を舞台に、寿司を取り扱ったマンガなので、魚介類や寿司に絡んだ日本文化を紹介するシーンも多く、読めば寿司に対する見方が変わり、もっと寿司が好きになること必至。 銀座という一等地ながら、あくまでも大衆店として営業している「柳寿司」には様々なお客さんが現れます。そんなお客さんが持つ悩みを、握った寿司で解決していくという、料理漫画特有のお約束も描かれているので、うんちく漫画としてではなく、純粋なグルメ漫画として楽しむこともできます。 主人公の成長を描きながら、魚介類のうんちく、美味しそうなお寿司の描写もしっかり描かれているなど、様々な楽しみ方ができる作品です。 ちなみに、「すし処 みや古鮨分店」という赤羽にあるお店が撮影協力を行っているので、気になった方はそちらにお邪魔してみるのも楽しいかもしれません。
ごほうびおひとり鮨 1
少年・青年マンガ贅沢な食事と聞いて何を想像しますか? お寿司がその候補に入る方は多いのではないでしょうか。 この漫画は、彼氏に振られたことをきっかけに「何か贅沢をしてやる!」と奮起した女性が、お寿司屋さんに行き、1人寿司屋デビューをする物語です。 カウンターだけのお寿司屋さんというと、少しハードルが高く思えますし、値段がいくらになるのかも解らないことが多くて、入るのを躊躇してしまいませんか? そんな考えを無くしてくれるのがこの『ごほうびおひとり鮨』です。 この作品では、実在するお寿司屋さんを取材して紹介しています。 そのお店の特徴やおすすめのポイント、更に最終的な会計の金額まで漫画内で描かれていますから、不安感を払拭してくれます。 もちろん、回転寿司屋さんに比べると多少高くなってしまうのは事実ですが、その金額に見合っただけの満足感を提供してくれるのが、カウンター席だけの「お寿司屋さん」の最大の魅力です。 この漫画を読んで、あなたも頑張っている自分へのご褒美として、一人寿司屋デビューをしてみませんか?