マンガにはファンタジーや恋愛だけでなく「登場人物に救いがない」「読んでいて鬱になる」といった気分が沈んでくる内容もあります。そうしたマンガは反面教師としての役割や、今の自分が幸せであることを噛みしめるのに役立ちます。今回はそんなマンガを集めてみました。主人公や周囲の人々、そして世界観など、あらゆる要因が読者を鬱にするマンガの数々を読んでみてください。
善悪の屑
少年だからという理由で罰を受けなかった殺人者、自殺に追い込んだものの学校の隠蔽体質によって許された教師。そうした後味の悪い事件には被害者遺族の無念がつきまといます。 そんな遺族の復讐代行を行っているのが本作の主人公です。加害者のやったことに合わせる形で、足先から肉をそぎ落としたり、目を潰したりとかなり悲惨な方法で復讐を代行します。 主人公がそのような仕事を始めたのは、自分自身が同じような経験をしたことがきっかけでした。仕事中に家にいた妻と子どもが殺されたのですが、犯人は警察官僚の息子だったという理由で捜査が妨害されていたのです。そうした過去から、被害者の感情を理解しています。
闇金ウシジマくん
10日で貸付金の5割の利息が上乗せされるという法外な闇金会社の社長・ウシジマくんの視点から、債務者の悲惨な状況を描いています。 闇金に手を出す債務者というのは信用情報がすでにブラックリストに入っているなど普通のキャッシングができない人ばかりです。恐ろしいのは、そんな状況にまで追い込まれても、債務者にはさほど危機感がないという点です。 みなどこか他人事で、先のことを考えないようにしています。そんな債務者をウシジマくんは容赦なく、体や命を対価にしてでも借金を取り立てます。 債務者は最終的に落ちるところまで落ちてしまい、救われるものはほとんどいません。闇金の凄惨さを教えてくれる反面教師的なマンガでもあります。
地獄少女(1)
少女・女性マンガねえ、地獄通信って知ってる? 午前0時にだけアクセスできるサイト・地獄通信。そこに憎い相手の名まえをかきこむと、「地獄少女」があらわれて怨みを晴らしてくれる……。子どもたちの間で広まった都市伝説。でも、ウワサは本当だった――。
地獄少女
少女マンガらしく絵はとてもかわいらしいのですが、内容は悲惨です。ひどいいじめを受けている学生、セクハラを受けていて心身共に限界の社会人など、他人に対して強い恨みを持っている人達は”地獄通信”というサイトに行き着きます。 地獄通信で憎い相手の名前を書き込むと、地獄少女が恨みを晴らしてくれる代わりに、依頼者の魂は死後に地獄に堕ちる…そんな都市伝説めいた話です。明らかに怪しいのですが、そんな怪しいサイトに頼るしかないほどに追い詰められる被害者たちの様子が、丁寧に描かれています。 恨みを地獄少女に晴らしてもらったところで、依頼しても魂が地獄に落ちることが確定しているためなんともやりきれません。