「お…おお…若い娘の肌じゃあ…」富蔵が薫をその毒牙にかけようとしていた。薫は恐怖で失禁してしまう。「最高の若返りの妙薬じゃあ」富蔵はそれをすすり始めるのだった。と、そこに光二が助けに入った。父・富蔵の脇腹に蹴り一閃「ブッ殺スぞ糞じじい!!」しかし、富蔵は脇にあった日本刀を手に取り切りかかってきた。しかしそのとき、富蔵は大量の血を吐き卒倒してしまう。その隙に光二と薫は澄枝の縄を解き、蔵から逃げ出したのだった。富蔵が折檻に使っていた縄に蠟燭の火が移り、蔵は業火に包まれる。そうして富蔵は焼死した。その顛末を蔵の外から傍観している男がいた。長男の一郎である。一見、彼は穏やかで優しい男であったが、一郎もまた富蔵の血が流れていた。血なのか、あるいは高柳の家なのか、そこに集う者はみな、淫蕩の淵に引き寄せられていく。葬儀の日、母・澄枝と義姉・みつ子、義妹・薫の3人と光二は、仲睦まじく交り、物語は一郎の闇で幕を閉じる。