結婚をして数年が経ち、いつの間にか主人と気持ちがすれ違うようになっていた私。主人は浮気をし、その腹いせに私も、ネットで知り合った男と関係を持つ……。しかしそんなささやかな仕返しも、私に満足感を与えてはくれなかった。空虚な気持ちになる中で、自然と思い出されるのは、主人と付き合い始めたあの頃の記憶――。7年前、成人式を迎えた私は着物姿で彼とデートをしていた。映画館の中で私は、暗闇の中で身体を引き寄せられ、敏感な場所をまさぐられる……。映画も終わり、レストランで食事をすることになった二人。そこで彼はこう問いかける「美樹は、大人になって何かしたいことある……?」その時私の脳裏に浮かんだのは、自分がまだ処女だという事実。そして、彼にそれを奪ってほしいと思った事――。記憶の中に存在する、主人との確かな甘い思い出。