剣禅一如の境地を求めて剣の道を極めんとした宮本武蔵の半生を、吉川英治が国民的ロマンに昇華! 武蔵と弟子の伊織は江戸に到着。かつて世話になった光悦の弟子、厨子野耕介の家に寄宿することになった。 一方、お通も又八と共に江戸に来ていた。彼らは、柳生家の家臣木村助九郎から助けを受け、石舟斎の子息但馬守の屋敷に寄食していた。しかし、石舟斎が危篤状態であるという一報を受け、但馬守の甥兵庫と共に柳生谷へと下る。 また、小幡軍学を嘲弄したために、門弟から恨まれていた小次郎は、お杉婆の助太刀を名目に武蔵を訪問する。そこで、小幡一門の北条新から奇襲を受けるが、逆に痛手を負わせる。 お通に逃げられた又八は朱実と共に江戸にいた。怠慢な生活を送っていたが、密かに倒幕を謀る大蔵から将軍秀忠の暗殺をもちかけられる。又八は大金欲しさにこれを引き受けてしまう。第5巻 目次〈空の巻(続)〉 入城府 蠅 かたな談義 道草ぎつね 懸り人 飛札 仮名がき経典 血五月雨 心形無業 雀羅の門 街の雑草〈二天の巻〉 衆口 虫しぐれ 鷲 青い柿 露しとど 四賢一燈 槐の門 さいかち坂 忠明発狂始末 もののあわれ 撥 魔の眷属 八重垣紅葉 下り荷駄 漆桶 兄弟弟子 大事 柘榴の傷み 夢土 花ちり・花開く