剣禅一如の境地を求めて剣の道を極めんとした宮本武蔵の半生を、吉川英治が国民的ロマンに昇華!功名を立てようと関ヶ原の合戦に臨んだ新免武蔵(しんめん・たけぞう)、十七歳――。同じく参戦した同郷・宮本村の又八と敗軍の兵として、戦場近くのお甲・朱美母子の元へ身を寄せることに。朱美の父の仇敵を討ち果たし、郷里の宮本村へ帰ることにした武蔵だが、又八は母子とどこぞへ消えてしまった。村へ到着した武蔵は、又八の許嫁だったお通と再会。理由あって二人は村を出ることに。沢庵和尚に諭された武蔵は剣の道を極める決意を固め、修行の旅に出るのだった。第一巻 目次〈地の巻〉鈴毒茸おとし櫛花御堂野の人たち茨孫子縛り笛千年杉樹石問答三日月茶屋弱い武蔵光明蔵花田橋〈水の巻〉吉岡染陽なた・陽かげ優曇華坂河っ童春風便巡りぞ会わん茶漬奈良の宿般若野この一国芍薬の使者四高弟