四月初めの朝。暴力が原因で妻に縁を切られたロマーノ巡査長がP分署近くのゴミ集積所で見つけたのは、生後間もない赤ん坊だった。病院に運ばれ一命をとりとめたものの、状況は予断を許さない。捜査班の面々は赤ん坊の親を探して奔走するが、ピザネッリ副署長が知人から得た情報が、事態を思わぬ方向へ導いていく。いっぽう、気取り屋アラゴーナは初対面の少年に懇願され行方不明の犬を探す羽目になるが、近頃管内で野良の犬猫失踪事件が多発していると判明して……個性派刑事たちの活躍を描く人気警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ!/解説=若林踏