「嘘」は許されない。「恋」はもっと許されない。すこし未来。日本では16歳になると、政府から結婚相手が指名される世の中になっていた。根島由佳吏15歳は、日本の片隅に住む、うだつの上がらない少年。成績もスポーツも中の下。だがしかし、その胸に燃えるような恋心を秘めていた! 恋が許されない世界で、誰かを好きになってしまった少年の運命は‥‥!?
ある人にとって、恋は光だ。ある人にとって、恋は痛みだ。そんな中、誰かが言う。恋なんて全部嘘だ。それでも。他人が邪魔しようとも。他人が否定しようとも。「本人にとっては、その想いだけがたったひとつの真実だ。」数か月前の自分の言葉。それを自ら否定し友を傷つけた少年は、雨の中を駆け急ぐ。否定を、否定するために。根島由佳吏と仁坂悠介。ふたりの少年が、いま向き合う。