企業は顧客を逃がさないために、多くの時間と資金を費やして、いままで誰も見たことがないような商品、かつてないほど魅力的な商品で顧客を喜ばせようと努力している。ところが最近の行動研究の成果によれば、顧客の側は、企業の積極的な変革を好むのではなく、自分に馴染みがあって、簡単に買えるものを求めていることがわかってきた。となれば、企業が競争優位を持続させるためには、顧客に「選択」させるだけではなく、「習慣」をつくる必要性がある。本書では、自社の製品やサービスを、顧客がいつも本能的に快適さを感じて選択してしまうような、「累積的優位」の重要性について論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2018年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。