「共通価値」(shared values)という概念は、
経済的価値を創出しながら、
社会的ニーズに対応することで
社会的価値も創出するというアプローチであり、
成長の次なる推進力となるだろう。
GE、IBM、グーグル、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、
ネスレ、ユニリーバ、ウォルマートなどは、
すでに共通価値の創造に取り組んでいるが、
まだ端緒についたばかりである。
共通価値がもたらすチャンスを見極める方法は、
「製品と市場を見直す」「バリューチェーンの生産性を再定義する」
「事業を営む地域に産業クラスターを開発する」の3つである。
これまでの資本主義の考え方は、
「企業の利益と公共の利益はトレード・オフである」
「低コストを追求することが利益の最大化につながる」
といったものであり、依然支配的である。
しかし、もはや正しいとはいえず、
また賢明とは言いがたい。
共通価値の創造に取り組むことで、
新しい資本主義が生まれてくる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2011年6月号)』に
掲載された論文を電子書籍化したものです。
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