◆さえない田舎娘のわたしが、
伯爵家の花嫁になれるわけがない。◆放蕩伯爵デベン卿は30歳を迎え、跡継ぎをもうける必要に迫られていた。
久々に舞踏会に足を運んで妻にふさわしい女性を見つけようとしたが、
蜜に群がる蜂のように玉の輿狙いの浅ましい令嬢ばかりが寄ってくる。
うんざりした彼が大広間からテラスに逃げだしたところ、
妖精を思わせる娘、ヘンリエッタと出会った。
田舎から出てきたばかりの彼女はロンドン社交界から冷遇され、
テラスの植えこみの陰で涙に暮れていたらしい。
デベン卿はヘンリエッタを妻にしようと心ひそかに決め、
放蕩者として名高い彼に警戒の目を向ける彼女に話しかけた。
「きみを光り輝く社交界の華にしてやろう」