【内容紹介・目次・著者略歴】
本巻には、ルター、カント、ロマン主義に即して近代ドイツ政治思想の特質を探った、著者の研究初期から近年までの論考一二編を収録する。巻末には補章として、フンボルト財団研究奨学生「研究報告」のドイツ語論文を収載。本巻をもって〈宮田光雄思想史論集〉全八巻、ここに完結。
【目次より】
序章 思想史基礎概念
1 政治哲学 2 政治と倫理 3 抵抗権 4 寛容 5 ファシズム
I
1 ドイツ近現代史の中のルター像 神学的・政治学的考察
はじめに
一 近代ドイツ史の中のルター像
二 ナチ・ドイツ時代のルター像 《ルターとヒトラー》一九三三年
三 ナチ党リーダーのルター像
四 ドイツ敗戦後のルター像 《ヒトラーとルター》一九四五─四七年
五 おわりに 歴史的遺産の省察のために
2 カントの政治哲学についての一考察 ドイツ啓蒙主義の思想構造
はじめに
一 ドイツ啓蒙主義の一般的特質
二 カントの政治哲学 《フランス革命のドイツ的理論》
三 カントの政治哲学(続) そのドイツ的特質と限界
むすび カント哲学とドイツ啓蒙主義
3 ノヴァーリスの詩的国家論 初期ロマン主義の思想構造
はじめに
一 初期ロマン主義の思想的特質 《ロマン主義的イロニー》から《魔術的観念論》まで
二 ヴァーリスの詩的国家論
付論 精神と権力 近代ドイツ思想の構造的位相
II
4 近代化と文明化 D・ゼンクハース『諸文明の内なる衝突』を読む:
一 近代化による《諸文明の内なる衝突》
二 著者の研究足跡と平和構築の将来
付論 ドイツ国家主義の史的構造
5 近代デモクラシーの思想と制度
一 デモクラシーとは何か
二 基本的人権とデモクラシー
三 権力分立制とデモクラシー
四 代表議会制とテモクラシー
〔追記〕 《院外野党》運動の論理
6 現代都市と市民教育
一 現代都市と市民運動
二 市民教育の哲学
1) 啓蒙 2) 政治参加 3) 市民的不服従
三 市民運動と自己規律
III
補章 Die Struktur und Funktion des modernen Geistes in Deutschla. Ein Beitrag zur Frage der geistesgeschichtlichen Unterlage des Nationalsozialismus:…
あとがき 解説と解題に代えて
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宮田 光雄
宮田 光雄 (みやた みつお)
1928年生まれ。政治学者・思想史家。東北大学法学部名誉教授。専門は、政治学、ヨーロッパ政治思想史。東京大学法学部政治学科卒。
二つの著作集がある。
『宮田光雄集 「聖書の信仰」』(全7巻 岩波書店)
「信仰案内」「聖書に聞く 説教選」「聖書を読む 解釈と展開」「国家と宗教」「平和の福音」 「解放の福音」「信仰と芸術」
『宮田光雄思想史論集』(全7巻+別巻 創文社)
「平和思想史研究」「キリスト教思想史研究」「日本キリスト教思想史研究」「カール・バルトとその時代」「近代ドイツ政治思想史研究」「現代ドイツ政治思想史研究」 7巻「同時代史論」「ヨーロッパ思想史の旅」。
訳書に、E・カッシーラー『國家の神話』A・ケーベルレ『キリスト教的人間像』K・フォルレンダー『マキァヴェリからレーニンまで 近代の国家=社会理論』(監訳)エーバハルト・ベートゲ, レナーテ・ベートゲ『ディートリヒ・ボンヘッファー』アードルフ・ケーベルレ『信仰の豊かさを生きる』ディーター・ゼンクハース『諸文明の内なる衝突』などがある。