【内容紹介・目次・著者略歴】
本書は古代より現代まで、キリスト教を軸とする平和思想の流れをたどり、近代の代表的思想家の《平和と戦争の論理の交錯》を通じて、永続的平和の前提条件を明らかにした平和の思想史。《秩序と安寧》という従来の平和概念を超えて、《不公正な社会構造の解体》にこそ真の平和の確立があるとする今日的視点がみごとに展開される。旧著『平和の思想史的研究』から二論考を差し替え、あらたに五論考を増補した決定版。
【目次より】
I
1 神の平和と地の平和 《平和》の原型
2 キリスト教平和運動の思想
付論 社会主義社会の宗教と平和 平和と暴力との見方について
II
3 近代思想史の平和構想
付論 グローバリゼーションの只中で 《文明の衝突》から《世界エートス》へ
4 カントの平和論と現代
5 クラウゼヴィッツの戦争論と現代
6 政治における敵味方の論理
7 平和倫理としての生への畏敬 アルバート・シュヴァイツァーの平和思想
III
8 核の迷信からの脱却
9 非武装国民抵抗の構想
10 国を守るとは何か
あとがき 解説と解題に代えて
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宮田 光雄
宮田 光雄 (みやた みつお)
1928年生まれ。政治学者・思想史家。東北大学法学部名誉教授。専門は、政治学、ヨーロッパ政治思想史。東京大学法学部政治学科卒。
二つの著作集がある。
『宮田光雄集 「聖書の信仰」』(全7巻 岩波書店)
「信仰案内」「聖書に聞く 説教選」「聖書を読む 解釈と展開」「国家と宗教」「平和の福音」 「解放の福音」「信仰と芸術」
『宮田光雄思想史論集』(全7巻+別巻 創文社)
「平和思想史研究」「キリスト教思想史研究」「日本キリスト教思想史研究」「カール・バルトとその時代」「近代ドイツ政治思想史研究」「現代ドイツ政治思想史研究」 7巻「同時代史論」「ヨーロッパ思想史の旅」。
訳書に、E・カッシーラー『國家の神話』A・ケーベルレ『キリスト教的人間像』K・フォルレンダー『マキァヴェリからレーニンまで 近代の国家=社会理論』(監訳)エーバハルト・ベートゲ, レナーテ・ベートゲ『ディートリヒ・ボンヘッファー』アードルフ・ケーベルレ『信仰の豊かさを生きる』ディーター・ゼンクハース『諸文明の内なる衝突』などがある。