新しい産業革命
今号の特集では「新しい産業革命─デジタルが破壊する経営論理」というテーマで、6本の論文を収録した。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、デジタル化などの技術革新を目のあたりにすると、現象面の新規性に目を奪われがちである。しかし、それに伴って産業構造や企業経営が一変するといわれる今こそ、現象の背後にある論理を読み解こうとする経済学や経営学が長年にわたって置いてきたさまざまな前提を問い直す絶好の機会と考えた。全論文を実務家と研究者による共著とすることで、新たな現象を丁寧に記述すると同時に、既存の論理を見直し、新たな論理を打ち出す姿勢を心がけた。新しい産業革命は現在も進行中であるという点において、チャレンジングなテーマであり、執筆をご快諾いただいた皆様に感謝を申し上げたい。読者の皆様には、ぜひ各論文をじっくり読んで、新しい産業革命が日本の社会や企業に与える影響について深く考えていただきたい。