不器量で一文無しで、町じゅうの笑い物。こんな私が、伯爵様に求婚されるなんて。
愛する家族を亡くし、横暴な祖父にこき使われているリジーは祖父に付き添って訪れた保養地でハリー・ブレザートンと出会う。どこか陰のある青い瞳の、優しくて魅惑的な紳士――こんなにすてきな男性が、私なんかに話しかけてくれるなんて……。夢のような出来事に戸惑いながらも彼に惹かれていくリジーだったが、噂を聞いた祖父に激怒され、田舎町の屋敷に連れ戻される。ふたたびひっそりと使用人同然の暮らしをしていたある日、リジーの前にハリー・ブレザートンが現れた。彼は信じられないことを口にした――僕はインバーセッグ伯爵で、あなたに求婚するつもりだと。
■夢うつつの喜びもつかの間、ある事件に巻き込まれたリジーは彼に求婚された理由を悟って深く傷つきます。悲しみだらけの人生の、哀れな乙女の運命は……。超人気作家アニー・バロウズの筆が冴える〈神々の悪戯〉シリーズ第3話、心とろける蠱惑のフィナーレ!