都内のひっそりとした一角で獣医を営む鳥取健一は、法外な治療費を請求し、場合によっては患畜を持ち込んだ飼い主を罵倒しさえする。彼には「悪徳獣医」という風評が常につきまとう。しかし治療を受けた一部の患畜、飼い主には、物言わぬ動物と心通わせるかのような凄腕で、「獣医ドリトル」と呼ばれ慕われてもいた。
子供の頃から一緒に成長してきた愛猫の死が間近に迫ったとき、現実を受け入れられない少年。人を信じられず、唯一信じられる愛犬の前で、心配してもらいたくて「死んだふり」を繰りかえす男。ペットの問題は、飼い主の問題でもある。ドリトルはその両方を救えるか?