「父危篤」の知らせを受け、日本へ帰る決心を固めたマツ。「BARあけぼの」が繁盛したおかげで借金は完済でき帰国後しばらく暮らせるだけの蓄えもできた。シアトルでの最後の気がかりは恩人ワーチョンのことだ。自分たちを「家族(ファミリー)」と呼び異国の地で支えてくれたワーチョンになんとかお礼をしたいが、彼は最低限の経費と報酬しか頑なに受取ろうとはしなかった。日本に帰る自分たちにできることは、ワーチョンのおかげで稼がせてもらった店の売り上げを受け取ってもらうこと…。だが直接お金を渡そうとしても固辞される、それなら--マツは、銀行から引き出した今までの店の売り上げの多額の現金と置手紙を店のテーブルに残して、ワーチョンに別れを告げぬまま帰国することに…。だが帰国の船に乗る直前、出入国管理のゲートで思いもかけないトラブルが……!(フルカラー作品)