子どもは可愛い、自分の子どもならば尚更……そう思っていた。
“母”になるまでは。
学業優秀で眉目秀麗、誰もが羨む経歴を持ち、理想的な夫を持った瞭子だったが、
何もかも思い通りにいかない初めての「育児」に疲れ果てていた。
母乳を飲まない息子、眠ってくれない息子、体重の増えない息子ーー
正解のない育児の果てに瞭子の中で、次第にどす黒い衝動が芽生えていった。
表題作「死母性の庭」ほか、母性に纏わる衝撃作「子どもの私が震えている」「アンビバレンス」「逃げられない女」を収録。
「親なるもの 断崖」で女性の悲劇と強靱さを描いた曽根富美子氏の
母とは?の真摯な問いを描ききる問題作、リバイバル配信開始。