｢アーモンドを七粒｣のレビュー・感想

最後まで読み切って、
一巻目ではあれこれとわからないままだった、
葉月を取り巻いていた環境とか、渡辺の過去に起こった出来事に対してぬぐえないでいた苦い後悔の気持ちが、胸に沁みた。
葉月の、優しくたおやかに見えて、臆病だけれど反面、凛々しく男前なところが本当に素敵で好ましい。
若かりし頃だったからこそどうすることも出来ずに負ってしまった傷に、渡辺がずっと囚われていた苦しみも理解出来た。
二人がそれぞれに苦しんだ先に、お互いを理解し合い、新しい関係を結んでくれようとしたことに、本当にほっとして嬉しかった。
一番胸に迫ったのは、二巻目の冒頭！
ずっと堪えていた葉月が、とうとう耐え切れずに溢れだしてしまった思いのたけを、まっすぐに渡辺にぶつけていく潔さが、いじらしくて切なくて、涙が溢れて止まらなかった。決して幸せな場面ではないけれど、心を揺さぶられる名セリフ＆名シーンだと思う！

1巻の時はハラハラして苦しくて。渡辺マジでクソ野郎だった。どんだけ過去引きずんだ･･･
でもちゃんと前向いて誠実になってくれて良かった。

アーモンドを七粒ってどういうこと？と思っていたけれど、なんて切ない願いだこと。
二巻後半、ホームでの渡辺が頼もし過ぎて胸が一杯になった～
二人ともどうか幸せに、、、

相手にも自分自身にも｢誠実｣な葉月がもうね...
ツンデレだけど決して自分を腐らせたり相手を卑下したりはしないんですよね。
王道な展開じゃないのがまたいい。
渡辺が苦悩し、また一から頑張る姿がとてもよかったです。

ストーリーが良い作家さん、
エロが良い？作家さんがいますが
両方良いのが夏水先生だと思います。
この作品もそうでしたが
きゅんきゅんきて最高でした！
おススメです。

二人の強さと弱さが、絡んだりもつれたりしながら、最後は寄り添えて、良かったです。会社の人たちやBarの人たち、家族や同級生と、ゲイを取り巻く人間模様が丁寧に描かれてます。
心残りは、渡辺のメガネフェチ疑惑（笑）が解決しなかったことかな。

　

せつなくて涙がじんわり

前半と後半の主人公たちの
やりとりが
あまりにも違って
感情移入してしまいました。
おもしろかったです！