今回は護さんかあ…
これで護さんを忘れられずにいる主人公の態度に煮え切らないとグチグチ言う読者が減るかな。。よかったよかった。
この話はプラトニックに純潔進めてた弟と同じくらい、死に方があっけなすぎてあっという間に死んだ旦那の死を克服できずにいる傷ついたままの純粋な女性を描いた作品、と最初から私は思っていたので、弟と身も心も吹っ切って完全な恋愛結婚に至るには、そもそもお互い触れないようにしてきた護の死を二人ともぶつかりながら乗り越えていかないとならないのだろう、と思っていました。
旦那の死後、純潔保つくらい主人公の女性は護のことが好きだったはずで、無意識に他の男性に目が行かなかったのかそこは伏線がないですが、毎年ベロベロに酔って帰ってくるあたりそうなわけで、それを超える・忘れるほどに弟を好きになるなんて言うのは、いろんな意味で死を乗り越えるのと同じくらいに度胸がいることなのだろうと思われます。なので、いまだに彼女が卑屈でいる理由もいろんな意味でわからなくもない。
だから、この話は卑屈になる理由が、彼女が単に年上だからと言うだけではなくって、死んだ男性、夫を果たして忘れてしまうことは罪ではないんだろうか?、と、愛したが故の罪悪感とも言える葛藤がどうしてもあって、弟ももちろんそこを踏み越えて行けるほど自分の方が良いと思ってもらえるのだろうか、っていう、引く手数多な外見と中身、特技や学力がありながら、死んでしまったが故に余計に絶対的な存在の兄(壁)を超えて自分の方を選んで/好きになってもらうなんて言うのは、やっと高校生になったくらいの男の子が、いくらませてるからとはいえそうそう自信なんて持てないわけで、二人には、それぞれに、それぞれの立場だからこその、「完璧な兄・夫の死」ってものを乗り越えないとなんない苦しみがあんだろう、と思う。
なので、単なる年の差婚と思って軽く考えてる読者の思うような軽い話ではそもそもないが故に、ちょっと卑屈にも思える女の対応でもあるのだと思う。
とはいえ、説明もなくその辺は感情移入が難しいのかもしれず、その辺りの背景を明かしてあげないとよく考えもしないで文句言う読者が多くて少々作者が可哀想だったので、発刊も遅いことだし、これで少し両者の立場を理解して長い目で見守ってあげよう、という読者の若い女性が増えれば良いなと思う次第。