雑食すぎる書店員えんまゆ40歳読書のお時間ですスタッフ
一生を捧げられるモノ、ありますか?
本作に出てくる八雲師匠にとっては、それが「落語」なのです。
憑依したかのような噺家たちの演説には、喜怒哀楽が溢れている。それを見届ける寄席の客にも、様々な表情が溢れている。
「ある事故」を気に、生涯噺家として生き抜くことを決めたと師匠。そんな彼の落語に刑務所の寄席で出会い、一生ついていこうと決めた元ヤクザ。
彼らもまた、落語の物語のようにこれまで歩んできた人生のドラマがあります。
その物語の終わりには何が待っているのか…?
恋心多き独身フェミニスト Kana35歳読書のお時間ですスタッフ
もし、落語に敷居の高さを感じて足踏みしていても、読むと心の距離がグッと近づける一冊です。
作中では、戦前から戦後、そして21世紀に向けて後進を育て、落語界の冬の時代に一人花を咲かせ続けた架空の落語家・有楽亭八雲の一生を描いています。
登場キャラが様々な演目を実演紹介してくれるだけでも素晴らしいですが、歯に衣着せない物言いでも、品性溢れる八雲の言葉遣いや、クールで美しい身のこなしも一読の価値アリ。
彼を慕って集まる仲間たちとの、本当に気持ちが通い合っているからうまれる駆け引きも手が込んでいて、人間関係に疲れているあなたの心の処方箋となってくれるでしょう。
喫茶店ではマンガ2冊読了がノルマの歴史好き女子37歳読書のお時間ですスタッフ
戦前戦後を通して、落語に関わる人たちの愛憎と落語への思い、そして時代の変化の中で生き残ろうとする落語と言う芸を描きます。
世代を超えて細い糸のように物語の中に流れる因果は、話が進むにつれて明らかに。
また、濃密に描かれた落語シーンは、寄席に行く時の参考にも。読んでいるだけで、噺家の声が聞こえてきそうな臨場感も見どころのひとつです。
二次元再現コスプレイヤーM28歳読書のお時間ですスタッフ
満期で出所の模範囚が、寄席に一目ぼれし、弟子入りするお話ですの。
アニメ化もされていたので、ご存じの方も多いでしょう。落語の世界の厳しさと魅力が美しい絵で表現されていますの。落語好きの方には怒られるかもしれませんけれど、落語って男だらけなので、BL好きの女子はまりやすいと思うんです。
男同士の強い結びつきが随所に出てきて、トキメキます。
マンガサロン『トリガー』店長 マンガコンシェルジュ兎来スペシャリスト
「落語なんて年寄りが見るものじゃないの?」そんな偏見を一撃で打ち破り、若い落語ファンを増やしたのが本作です。
落語が笑うための芸、というイメージを持っている方はぜひ読んでみて下さい。
深みと渋みのある人間ドラマによって、主題となっている落語は勿論のこと、そこを越えたより広い意味での人間と人間の間で行われる継承の尊さや、創作者・表現者の業といったものまで表現されている傑作です。
文学ツウみたいな人たちからめちゃくちゃ評価の高い作品です。
登場人物それぞれが抱える闇とコンプレックスと落語が絡み合って、どろりとした、濃厚な空気が流れています。
今、iPhoneで落語を聴いてるんですが、マンガに出てきた演目は、笑いながら鳥肌立っちゃうみたいなおかしな反応になってます。落語すごい!