こじらせ恋愛難民Ryoko40歳読書のお時間ですスタッフ
まさしく耽美! 悲惨で美しきこの世界! 死刑執行人をテーマに描いているのに凄惨になりすぎず、どのページも不思議と暗い美しさがただよっています。他のマンガでは味わえない、独特の世界観にひたれて、病みつきになります。
ただ、テーマ上、拷問や死刑執行のシーンが多いので、グロテスクな表現が苦手、という方にはあまりおすすめできません。
「孤高の人」で一気にその画力の高さを世に知らしめた、世紀の天才漫画家・坂本眞一先生による作品。
パリの実在した死刑執行人「シャルル・アンリ・サンソン」をモデルとし、史実を交えながら、狂気的に繊細なタッチで悩める死刑執行人の姿を華麗に描きます。
「イノサン」では代々死刑執行人を務めるサンソン家4代目当主として生まれたシャルルの、周りから蔑まれ続け悩み苦しむ少年時代が主に描かれ、続編「イノサン Rouge」からは、サンソン家当主としてフランス王室と深く関わる青年期、そして実妹マリーとの関係が描かれています。
途中でやたらと花びらが舞い散る精神世界に行ってしまうこともしばしばですが、そんなページすらも美しすぎて目を見張ります。
ゴシック&ロリータが好きな人も、拷問や処刑にひたすら興味がある人も、ただ美しい線画が好きな方も、ぜひ読んでみてくださいね!
マンガサロン『トリガー』店長 マンガコンシェルジュ兎来スペシャリスト
あまりにも美しすぎるマンガです。
マリー・アントワネットや、ルイ14世の処刑を執行した、人類史上2番目に人の首を斬り落としたと謳われる処刑人シャルル=アンリ・サンソンを、極限の画力で描いて行く物語です。
これが週刊連載だったとは思えない、精密極まるタッチと迫力に息を呑みます。
作画のレベルとしては漫画史上でも最高峰。ある種、宗教画を見ているように錯覚するシーンも存在します。
死刑執行人でありながらも、誰よりも死刑制度に反対していたという彼の生き様を、極上のマンガとして味わってみて下さい。
せっかちゲーマーはるか 38歳読書のお時間ですスタッフ
フランス革命時を描いた作品は多いですが、その中でも死刑執行人についてフューチャーした珍しいマンガです。
主人公シャルル-アンリ・サンソンの子供時代から一人前の死刑執行人になるまでの葛藤や苦悩、その周りの人物達の生き方を華美に描いており、その描写の美しさには息をのみます・・・!
この作品の中で、私は特に兄と対照的な勝気で奔放な妹のマリーの生き方が好きで、読んでいてパワーをもらいました。