レビュー記事
- このマンガを詳しく見るドラマ化もされた、独身女性の胸をエグりまくる人気作品。私の周りの友人は「わかりすぎて辛い……」と物憂げにつぶやいていました。
倫子をはじめとするタラレバ三人衆と同じように、大なり小なり誰しもが悩みを抱えていると思います。その悩みを解決する方法をちょっと変えるだけで状況は好転するかも。まずは行動しなきゃ……と読んで強く思う作品でした。 - このマンガを詳しく見る自分にないものに憧れ、愛し、憎み、迷い、とらわれる登場人物たち。抱えている想いに対して、行動するわけではなく「私よりほかの人のほうがよほど……」と居直ったり、出会いによって気持ちの向き方がちょっと変わったり変わらなかったり。脆い独身女性の内側がほどけていくマンガです。
各々の話の登場人物たちは少しずつかかわりあっています。全員ちがうのですが、どこか共通点も。それが女性らしさにつながっているのかもしれません。読むほどに、与えてくれるものが変わっていく面白さを秘めた作品です。 - このマンガを詳しく見るバレエは、残酷な演技。踊りながら「年齢」という要素が重くのしかかってきます。28歳独身彼氏ナシ・貴和子もその一人です。
「これ以上やると、大好きだったものを嫌いになる気がした」 という言葉が出てくるのは、それだけ本気だったという証。そんなバレエを捨て、隣に住む男性を静かに好きになっていく姿に、寂しくも繊細な感動を覚えます。 - このマンガを詳しく見る同棲している二人。微妙な亀裂が距離を生んでしまうような、つかず離れずの二人を描いたこの作品は、とてもリアルです。
「リアル」というのは「今の人生をどう生きているか」という感覚、そして「これからの人生をどう生きていくのか」という問いかけ、それらが切実に追究され、ウリに秘めた心の葛藤が手に取るように分かる、ということ。それだけに、理不尽な現実を手探りで生きていく実感が湧いてきます。 - このマンガを詳しく見るどこかシュールで笑えます。でも、笑っていても他人事には思えない、そんな心の隅を突いてくるマンガです。
そもそも、登場人物が、人間なのか、別の生き物なのか……。それは置いといて、自分の中の醜い感情は、どうしても目を背けたくなるもの。この作品を読むと、背負い込む荷物の重さが少し軽くなるような感じがします。
5年の恋愛を引きずるライター 花輪えみ
31歳 | スペシャリスト
コラムニスト/ライター。
学生の頃から付き合っていた彼氏と5年目で別れ、恋愛モードを一時停止。その彼との別れで生まれた「後悔」が、執筆の原動力となっている。現在、大量のマンガ・小説からエネルギーを充電中。
学生の頃から付き合っていた彼氏と5年目で別れ、恋愛モードを一時停止。その彼との別れで生まれた「後悔」が、執筆の原動力となっている。現在、大量のマンガ・小説からエネルギーを充電中。