背筋の凍る毒親の奇行が印象的だったマンガ5選

血の轍
恋は光
きみが心に棲みついたS

毒親というパワーワードはいつから標準語になったのでしょうか。
ネグレスト、DVとともに広がった毒親は精神疾患の諸悪の根源として有名です。親は選べないと言いますけど、なにか脱出の手がかりがあればと思っての苦渋の5選です。

血の轍押見修造

息子を愛しすぎなで過保護で過干渉な母親。大きいコマで表現される母親の微笑。それが母親の表情や美しさを際立たせ、底知れぬ恐怖を読者に植え付けてきます。
息子に近寄るモノは冷徹に排除。それらの行為になんら罪悪感とかない空気感をだしてくるのは鳥肌ものです。この作家先生が描く人間の醜態は近年で天下一品かもしれません。平成の毒親感を垣間見るならこの一冊です。

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恋は光秋★枝

恋をする人が光って視える主人公。その謎を探す過程で、三人の女子大生と交換日記やコミュニケーションを通して恋愛観を覗いていくというお話。いや、凄いですよ、この設定。
主人公が恋の光を視れるようになったのは、親からの愛情がゼロだったことから、愛情を求めるがゆえに恋の光が見えるようになったとのこと。
そう考えると親の子供に対する愛情って必要不可欠ですよね。恋する光視れるようになりたいけど、こんな生い立ちは嫌だなぁ。

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きみが心に棲みついたS天堂きりん

メンタル攻撃してくる闇属性の漫画ここに現る
ドラマ化にもなった人気作。絵柄の可愛さとは裏腹に、サイコパスな発言やらで精神攻撃してきます。主人公は毒親に育てられたせいで、人の目を気にしてばかりで自信がない。
いやはやわたしも根拠のない自信が欲しいですけど。5選にエントリーしておいてあれですが、過去に男性にDV受けたトラウマとか、親が毒親だった人は読まないほうがいいかもしれません。本当に。

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鏡の中の少年大島真知子

4作の短編集の中の教師・モンスターペアレント・学校の三角関係を描いた「モンスターの産まれる日」が、だいぶキテる。
一見何も問題なさそうに見えるが本当は血のつながっていない家族、そしてネグレクトを受けて孤独に生活している少年。わたしも、同じ環境で育ったらこんなマンガの感想を書いていないかもしれない。
そう思うと、大人の身勝手な事情で子供たちの運命が決まってしまうのは神様のいたずらにしてはキツイ試練ではないだろうか。

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毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~春キャベツ

母親は、些細なことでも“気分”でキレる。父親はお酒を飲んで暴れだす。毒親の巣窟。
これだけの内容なのに、ふんわりしたタッチで描かれているので悲壮感は半分くらい。そして作中に「ひどい親だと思いたくない」とあるんですけど、毒親をもつ人が一番苦しむのはここなんだろうな。
どこか同情してしまうところが、いいところでもあり悪いところでもあるよね。早く逃げて!と思うけど逃げられない苦しさをストレートに描いているのは凄いことなのだと思いました。

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