独特の世界観に酔いしれる!現実を忘れたい人へ贈るファンタジーマンガ5選

メイドインアビス
クジラの子らは砂上に歌う
ツバサ

人工物で飽和した社会に疲れていませんか?
地面はコンクリート、林立するオフィスビル、窮屈な人間関係…。
そのような生活の中で、「大自然」や「非日常」に憧れたことが一度はあると思います。
そんなあなたの心に潤いを与えてくれるような、ハイファンタジーの名作たちをご紹介します。

メイドインアビスつくしあきひと

アビスと呼ばれる大穴の中は、様々な思惑が交錯し、危険生物が犇めく大自然の坩堝でした。
柔らかく愛らしい画風と、それからは想像できないハードなストーリーが「メイドインアビス」の魅力です。

物語に漂う濃密な世界観は、読む人にアビスの恐ろしさを刻み込んでくるのですが、同時に主人公のひたむきさや心の強さを強調してくれます。
「一寸先は闇」を体現する手に汗握る作品です。

クジラの子らは砂上に歌う梅田阿比


サイミアと呼ばれる超能力を使う薄命の泥イルカの民族。
本作はその民族の記録係である過文症の少年の物語です。

作品の中で彼は、様々なヒューマンドラマを体験します。人生が短いことを悲観する者、隔絶された外の世界に思いをはせる者、大切なものを守るために立ち上がる者。
激しく劇場的にその人生を燃やす彼らの姿勢は、現代社会を生きる我々がどこかに忘れてきてしまったものかもしれません。
我々も彼らのように恥のない将来を送ってみたいものです。

ツバサCLAMP

愛する人の記憶を無くした姫を救うために旅をする青年のSFファンタジー。

物語の内容はシリアスかつ複雑ですが、むず痒さを感じる2人の関係が見てて微笑ましいです。
姫を救う為に様々な世界を渡り歩く小狼の生き様からは、2人の身分の違いも相まって「春琴抄」の佐助のような自己犠牲愛を感じます。この物語は、我々に一種の美しい「愛」の在り方を提供してくれているのではないでしょうか。
なお、物語の後半は衝撃の展開が待ち受けています。

ニュクスの角灯高浜寛

舞台は明治日本。明治初期の喧騒の中、モノの来歴を聴くことができる少女美世が道具屋で働く中で様々なドラマを紡ぎます。
本作品の魅力は何といっても「温かさ」です。

活気ある人々に囲まれた中で囁かれる物の声、道具の過去を知ると不思議と道具にも親近感が生まれます。
日本には古来から八百万の神や付喪神を信仰する文化がありますから、そのせいでしょうか。
肝心のストーリーもしっかり練られているので、それこそ作品を読む我々も角灯のように明るく温かい心で読み進めてしまいます。