ネットニュースだけじゃわからない!リアルを描く社会派マンガ5選

マージナル・オペレーション
シャトゥーン~ヒグマの森~
ROUTE END

日々、スマホを通して流れてくる膨大な数のネットニュース。それだけでは決して知ることのできない事実だってあるはず。そんなネットニュースだけじゃわからないリアルを描いた社会派マンガをご紹介します。

マージナル・オペレーション芝村裕吏

民間軍事会社を描く本作品。注目すべき点は主人公・アラタ率いる傭兵が全員子供であるということ。「子供に戦場で人殺しをさせたくない」「でも彼らが銃を置くためには戦場でお金を稼ぐしかない」そんな矛盾に苦しみ続けるアラタの葛藤。
そして「傭兵になる方がまだマシ」という現実から銃を持ち続ける子供たち。
フィクションでありながらも紛争のリアルが垣間見える。個人的にはここ数年で一番価値観を揺さぶられた作品です。

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シャトゥーン~ヒグマの森~増田俊也

冬眠に失敗したヒグマ、通称・穴持たず。そんな穴持たずとなったヒグマ親子から逃げ惑う人々を描いた本作品では、一度人間の味を覚えたヒグマの残虐性を、嫌というほど知ることになります。
中には思わず目を背けたくなるシーンもあり、とにかく読み進めるのがつらかったです。
しかし同時に、このようなヒグマを生んでしまった原因は生態系を破壊してきた私たち人間にもある。そんな現実を教えてくれる一冊でもあります。

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ROUTE END中川海二

連続猟奇殺人事件を題材とした『ROUTE END』。ミステリー要素たっぷりで今後の展開が気になるところではあるのですが、それ以上に読者の目をひくのが主人公の生業でもある、特殊清掃業。
腐敗した遺体が放置されていた部屋を原状回復させるという、一般的にはあまり知る機会のない特殊清掃の裏側。その様子がリアルに描かれた本作品では、これまでとは違う観点から「死」というものの意味について考えさせられます。

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監察医朝顔木村直巳

不自然な死を遂げた遺体の状況から、真の死因を明らかにする監察医・朝顔。彼女は遺体にひとつでも不審な点があれば、自分の足で徹底的に現場も確かめます。その姿を見て、心からこの職に誇りを持っているのだということが伝わってきました。
とはいえ真実が明らかになっても亡くなった本人は帰ってこず、さらに深い悲しみを背負う遺族もいる。その事実を受け入れたうえで成長していく朝顔先生の心情からも、目が離せない作品です。

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死役所あずみきし

亡くなった方が死後に訪れ、自身の死の手続きをする場である死役所。一見、死後の世界を描いた作品であるかのようにも思えるのですが、実際は数々の社会問題がテーマとなっています。
なにより、いじめ、ブラック企業、虐待など、さまざまな出来事が原因で命を失った人たちの半生。そこに自分と重なるものがあると思わず感情移入させられ、読了後に深く考えるきっかけがもらえる作品です。

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