【鬱展開の連続】歪んだ愛が引き起こす悲劇作品5選

骨が腐るまで
ひとつばな
監獄実験—プリズンラボ—

一言で愛と言っても、そこには様々な形が存在します。当初は純粋だった愛も、きっかけ次第では「他を犠牲にしてもいい」と歪んだ愛へ形を変える場合も。
そしてその歪んだ愛は、ときに悲劇を引き起こす引き金となる可能性もあるのです。

骨が腐るまで内海八重

家族、恋人、仲間……。本作品に登場する人物は皆、心から「守りたい」と思う何かを持っています。しかしその気持ちは徐々に歪んだ愛へと形を変え、そこから家庭崩壊や仲間割れ、さらには殺人という最悪の事態まで引き起こしてしまうことに……。
大切な物を守るためにこれが最善の方法だと疑わず、どんどん後戻りができない道へと進んでいく少年たち。そんな彼らの葛藤する姿は、私たちに歪んだ愛の恐ろしさを教えてくれます。

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ひとつばなミナミ

タイトルの『ひとつばな』とは、簡単に言うと呪いの花。人間の心にこのひとつばなが咲いてしまうと、すべてを壊してでもその欲しい物を手に入れようとしてしまいます。そして主人公の明斗の心にも、ついにこのひとつばなが咲いてしまうのですが……。
恋心を抱く先輩を手に入れるためであれば、何でもする。そんな明斗の歪んだ愛情からは、人間の奥底に眠る嫉妬や執着といった負の感情を嫌というほど見せつけらることでしょう。

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監獄実験—プリズンラボ—貫徹

「復讐は良くない」なんて当たり前のことは、小学生でも知っています。でも仮にもし今この場で「復讐したい相手はいる?」と聞かれたら、無意識のうちに具体的な人物を頭に思い浮かべる人もいるのではないでしょうか……。
この作品はそんな人間の復讐心が入り乱れていく様子を、嫌というほど覗かせてくれます。同時に一度歪んだ愛を抱くと、人はこうも変わってしまうのかという恐ろしさを教えてくれる作品でもあります。

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ミスミソウ 完全版押切蓮介

家族を焼き殺された少女の復讐劇を描く『ミスミソウ』。間違いなく、読んでいると息が詰まるほどの苦しさに襲われます。
でも私は思うんです。登場人物のほとんどは決して許されない行為に手を染めてしまったけれど、皆、心のどこかで助けを求めていたんじゃないかと。それが歪んだ愛に変わり、悲劇が生まれてしまったのではないかと。
鬱展開が続くものの、読了後には考えさせられるきっかけを与えてもらえる。そんな作品です。

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惡の華押見修造

誰もが一度は通るであろう、思春期という名の道。その中で少年少女たちは「周りに合わせなければいけない」という理性と「隠している本心を表に出したい」という感情の狭間で、自分をうまくコントロールできずに思春期という時期を過ごしているのかもしれません。
そんな思春期特有の少年少女たちの気持ちが歪んだ愛の形となって描かれた『惡の華』。何となく、自分の思春期時代と重ね合わせて読みたくなる一冊です。

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