大人になって読んでみた、奥深い魅力の萩尾望都先生 5選

トーマの心臓
11人いる!
バルバラ異界

「ポーの一族」復活も話題になった少女マンガ界の巨匠・萩尾望都先生。 世代が違っていたので、大人になってから先生の作品に出会ったのですが、それが結果的に大正解! 彼女が描くファンタジーやSFの世界はあまりにも壮大で緻密なので、その圧倒的な才能に驚愕します。 未体験の方はぜひその扉を開いてみて!

トーマの心臓萩尾望都

「これが僕の愛、これが心臓の音。きみにはわかっているはず」
ある日突然、愛の遺書を残して死んだ全寮制男子校の下級生トーマ。
まだ幼い彼はなぜ死を選んだのか。
闇を抱え愛を知らないユーリは、そこから彼の愛に取り憑かれ狂わされていく。
男同士の友情、愛、憎悪…。異国を舞台にした男同士の愛やドラマチックなストーリーと艶やかな描写。
元祖ボーイズラブと呼ばれることも多い作品ですが、これまで味わったのことない美しさと儚さを感じました。

トーマの心臓の画像

11人いる!萩尾望都

こんな本格的SFを少女マンガで読んだのは初めて!と衝撃を受けたのがこちら。
まず、冒頭のカプセルの中でテストをする受験生のシーンがあまりに近未来的でゾクッと心を掴まれます。
宇宙大学へ入学するための宇宙船での最終試験が舞台。
残されたのは10名、ではなく11名。その11人目は誰なのか、何の目的なのか。
次々と起こる異常な現象、そして命の危機、驚愕の真実…怒涛の展開に息を呑むサバイバルSFストーリーです。

11人いる!の画像

バルバラ異界萩尾望都

「夢」それはこの世で一番身近な不思議の世界。
その夢は自分にしか楽しめませんが、他人の夢に入ることができたら?
そんな特殊能力を持ったプロの夢案内人が依頼されたのは、7年間眠り続ける少女。
彼女の夢の中では、「バルバラ」という場所で生活をしています。
そこが現代はどう繋がっていくのか、バルバラは何なのか。
不思議な物語は読み進めるごとに深みを増し、想像もできないストーリーに引き込まれていきます。

バルバラ異界の画像

イグアナの娘萩尾望都

その昔ドラマにもなりましたが、まさかこの原作が萩尾望都先生だったとは思いもしませんでした。
母にだけイグアナに見えてしまう娘。そしてその洗脳ゆえに自分をイグアナだと思って暮らして行くのです。
あまりにもファンタジックな設定なのに、すごくリアルで社会派な内容が胸に刺さります。
母がいわゆる毒親で娘に対してヒドイ態度なのですが、「どんな見た目でも我が子を愛せるのか」そんなテーマが隠されているようにも思いました

イグアナの娘の画像

残酷な神が支配する萩尾望都

この世で一番恐ろしいものは「人間」ではないでしょうか。
しかも、弱い立場である相手だと分かって非道行為を行う人間。 この作品では、それが主人公の継父。彼は、周りにバレないよう主人公だけに性的欲求を一方的に押し付けているのです。
ゲスにも程がある行動に嫌悪感しか感じませんが、主人公は精神的に弱い母を守るために仕方なく受け入れてしまいます。 それが地獄の入り口だとも知らずに。 でも、ただの悲劇にしないのが萩尾先生。この物語には、いくつもの衝撃的展開がまっているのです。

残酷な神が支配するの画像