目を背けないで!親子関係の闇を描くマンガ5作

「子供を殺してください」という親たち
それでも親子でいなきゃいけないの?
アイシテル ~海容~

「親子だから、どんなに関係がねじれてもいつかわかりあえる」
「子どもが可愛くない親なんていない」 
よく耳にしますが、この考えに自分を縛りつけてはいませんか?今回は親子関係について考えるマンガをご紹介します。

「子供を殺してください」という親たち鈴木マサカズ

殺人などの犯罪を始め、精神疾患や不登校、薬物やアルコールなどの精神科医療との繋がりを必要としながら適切な対応が取られていない子供を、親からの依頼で医療につなぐトキワ精神保健事務所の所長・押川剛さんの体験をマンガ化した作品。もうね…壮絶すぎて、読み進めるのが辛かったです。
「子供を殺してくれませんか?」ってこの言葉だけ聞くととんでもないんですが、それさえも仕方ないと思えるほどの闇に直面した時、あなたは普通でいられますか?

「子供を殺してください」という親たちの画像

それでも親子でいなきゃいけないの?田房永子

本作は、いわゆる「毒親」に育てられた人たちのエピソードと田房永子先生の前回作・「母がしんどい」のその後が綴られたコミックエッセイ。
家庭内の慣習やルールって、他の家庭を知って始めて「あれ…うちって変なの?」と気付く事が出来るものなので、そのおかしさにナカナカ気付け無さそうですよね。
「たとえ親子であっても、自分が壊れるまで親子関係を続けなくてもいい」この言葉に救われる人、実は少なくないんじゃないかなと思いました。

それでも親子でいなきゃいけないの?の画像

アイシテル ~海容~伊藤実

7歳の少年が殺害され、その犯人はなんと11歳の少年だった、というドラマ化もされた本作。
加害者の親・被害者の親、両方の視点で進行するのですが、一見、加害者側の親子関係の問題がわかりやすくて反応しそうになりますが、被害者側の親子関係の方が実は闇が深い気がしました。
親子の闇と、親子にとって本当に大切なものが何かを考えさせてくれる作品だと思います。

アイシテル ~海容~の画像

ど根性ガエルの娘大月悠祐子

「ど根性ガエル」作者の娘による、漫画家の転落、そしてギャンブル中毒による家族崩壊…という体験を描いたコミックエッセイ。
もうね…ホントに…なんなんだこのマンガ! 寒気がするぐらいスゴイです。感動とか壮絶とか、言葉にすると陳腐に思えて、言葉にするのをためらうくらい。
父と娘、母と娘、毒親と娘、毒親を持つ兄妹、いろんな角度から家族が描かれますが、私は3巻まで読んで完全に語彙力を失いました。

ど根性ガエルの娘の画像

ぼくが生まれた理由~児童虐待の現実~あまねかずみ

本作は、表題の作品だけではなく、収録されている全作を読んでみて欲しいなと思った1冊です。
親子関係って、確かに闇もたくさんあるし、危うい部分も多分に含んでいますが、「言えない真実」が存在するばかりに、誤解によってこじれていくという現象もあります。
「風になった子」では子供の行動の裏にあった本意、「ラ・レッセー・イデン」では母そして、祖母の本意が、全エピソードが家族を本当の意味で理解するヒントになるかも。

ぼくが生まれた理由~児童虐待の現実~の画像