学生時代は、「30歳とか40歳になったり、結婚したりしたら、恋はしないもの」って思っていました。でも、大人になった今なら分かります。恋は、結婚しているか否かや、年齢に関係なく、きっかけさえあれば落ちてしまうものなのだと。
バツイチのアラサー女性と、不眠症の年下男子との淡い恋愛物語です。
恋愛が始まると、これまで普通に見ていた景色が、まったく違ったものに感じられたりしますよね。誰かを好きになることで、自分の世界ががらりと変わってしまう、そういう恋愛のキラキラした瞬間を切り取って見せてくれるマンガです。
この恋愛のトキメキ、長らく忘れていたものかも!
いつまでも恋愛できることって、幸せなことでもあり、切ないことでもあるのだなと、この作品を読んで感じました。
本作の主人公は40代の女性。権力のある年上の男性の愛人をしながらも、17才年下の男の子にも惹かれていきます。自由奔放に恋愛を楽しみ、快楽とトキメキを感じながらも、いつもどこか心細げで危なげな女性の姿が印象的です。
南Q太先生は、女子高生や20代くらいの比較的若い人を描いている印象だったのですが、今回はアラフォーカップルのお話です。
高齢出産や、両親との確執など、大人の恋愛ならではの悩みが、リアルに描かれています。悩みは尽きないはずのに、主人公が幸せそうに見えるのは「お金なんかちょっとでいいの。毎日一緒にごはんたべたい」と思えるほどの人と出会うことができたからでしょう。
夫を亡くし、アパートの管理人をしている未亡人の音無響子さんがとにかくカワイイ!
そんな管理人さんに夢中で、彼女の言動に一喜一憂している主人公の様子がコミカルに描かれています。周りのキャラクターは個性豊かですが基本的に全員いい人なんですよね。全体的に暖かい雰囲気で、いつまでもこの世界に浸っていたいと思える作品です。
恋愛にも仕事にも全力投球で、誰にも媚びず力強く自分の道を進んでいくカンナさんの姿に勇気がもらえる一作です。
一度離婚し、その後好きな人に裏切られたり、仕事で窮地に立たされたりと、何度も失敗するカンナさんですが、その度に自力で立ち上がります。このパワフルさは見習いたいですね。
続編の『カンナさーん! アラフォー編』ではさらにパワーアップしたカンナさんを見ることができます。