『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』あらすじやキャラクター、見どころを紹介

まずは、原作小説やコミカライズについての紹介です。また、作者が他にどういった作品を執筆しているかについても紹介します。

『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』は、『ヤングエースUP』で連載中のコミックです。『ヤングエースUP』は『ヤングエース』で連載されている漫画を読むことができるwebコミックサイトです。 現在、原作小説は6巻、コミックは4巻まで発売されています。2021年の10月にはアニメ化もされました。 ルーグの声優に赤羽根健治さんを起用し、ディアは上田麗奈さん、タルトは高田憂希さんなど、豪華な声優がアニメーションを彩ります。

原作を執筆しているのは、月夜 涙（つきよ るい）さんです。『エルフ転生からのチート建国記』でデビューして以来、多数のライトノベルを生み出している作家です。 『回復術士のやり直し』の作家でもあり、コミックは2022年2月10日に10巻が発売されました。こちらの作品もアニメ化されており、2021年の1月から3月まで放映されていました。 『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』のコミックス作画を担当したのは皇ハマオ（すめらぎ はまお）さん、キャラクター原案はれい亜さんが手がけています。

ここからは、『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』のあらすじを紹介します。

1人の老人が最後の仕事を終え、飛行機に乗っているところから話は始まります。彼は、仕事が終わった後は組織から後進の育成を任せると約束されていた、当代一の暗殺者でした。 突然、彼が乗っている飛行機にトラブルが発生しました。爆音が響き揺れる機内では乗客がパニックを起こす中、暗殺者は冷静に状況を判断し、飛行機を安定させようと試みました。 しかし、窓の外に爆撃機の姿があることに気づきます。用済みとなった自分を処分するための襲撃であると悟った暗殺者は、自分の忠誠心を踏みにじられたと感じました。 彼は死の間際、初めて自分の人生に疑問を持ちました。そして、「もし次の人生があったら自分のために生きよう」と強く願いつつ、飛行機の墜落とともに命を落とすのです。

次に暗殺者が目を覚ますと、目の前には神殿がありました。そこには、女神と名乗る女性がおり、彼女は暗殺者にある仕事を頼みたいと持ちかけます。それは、勇者を暗殺することでした。 女神は暗殺者に、勇者を殺さなければならない理由や、転生先での立場などを伝えます。自由に選択したスキルを授け、世界一の暗殺者の家系に転生させると聞いた暗殺者は依頼を承諾して、転生することを選びました。

彼が転生したのは王国一の医者であり、暗殺者でもある家系のトウアハーデの長男ルーグでした。暗殺者の家系であるにも関わらず、両親はルーグを愛情たっぷりに育てます。 ただ、普段は温厚な父も暗殺に関することには非情となり、ルーグが5歳のころにはトウアハーデの教育として死刑囚を殺すよう言いつけられました。 非情な命令を下さられても冷静なルーグを、父は「才能とはかくも恐ろしく素晴らしい」と称賛しました。

この作品の見どころは”暗殺”にあります。勇者を暗殺するという斬新なコンセプトや、主人公の美学などを説明します。

勇者の話や、勇者と戦う魔王視点を書く作品は多くあるでしょう。最近では、勇者パーティから追放されるという物語も増えました。 一方で、この作品は”勇者を暗殺する”ことが最終的な目標として描かれています。主人公が勇者パーティに属さず、それどころか勇者と敵対し殺そうとする本作は、異世界転生もののなかでも珍しい作品であるといえるでしょう。

暗殺者に勇者暗殺の依頼を出した女神ですが、彼女は暗殺者と話をしている最中はずっと笑顔で話をしています。飲食やドリンクを楽しむなど、かなり人間臭い女神です。ですが、それらはむしろ暗殺者として生きていた主人公にとっては、胡散臭く感じられるものでした。 勇者を暗殺することを依頼する理由について、暗殺者が「勇者を殺すのが目的か？　それとも世界を救うのが目的か？」と聞いた際は「もちろん世界を救ってほしいです。ええ、それもいいですね。出来るのであれば」と意味深な発言を残しています。 主人公が転生した先の世界にも干渉してくるのか、彼女の真意にも注目です。

ルーグは前世で暗殺者として長年生きてきました。物心ついたときから暗殺者として組織に育てられており、愛情というものは駆け引きのための道具と考えていました。 ほかにも、組織からは人の命の価値は高くないと教えられているため、人を殺すことに躊躇いや罪悪感がありません。 暗殺のために教わったことは、ルーグに生まれ変わってもしっかりと受け継がれています。暗殺者とはどうあるべきか、家族とはどう向き合うべきかを考えながら第二の人選を歩む、主人公の心の動きも見どころです。

この作品には魅力的なキャラクターが多数登場します。主人公を取り巻く、さまざまな登場人物について紹介します。

この作品の主人公で、勇者を暗殺する使命を背負ってトウアハーデ家の長男に転生しました。トウアハーデは、この世界の四大国家の一つであるアルヴァン王国の男爵家です。 記憶力や理解力に長けており、ディアが一度詠唱した魔法をすぐに復唱したり、魔力の属性変換を数回するだけで理解できたりすることができます。 性格は老人であった転生前とあまり変わっておらず、常に勇者暗殺について考えている達観した性格です。人を殺す際の躊躇いや罪悪感などは不要であると考えていましたが、父親に「人の心を知れ」という言葉をかけられ、「生きていくために必要な儀式」として考え続けると返しました。 前世から記憶を引き継いでいるので、精神年齢上は老齢ではありますが、初めて魔法を使ったときに嬉しがる場面や、マーハやタルトと寝ている時に男性の生理現象に悩まされたりと少年らしく戸惑う場面もあります。

隣国スオイゲルのヴィコーネ伯爵の娘で、ルーグの魔術の師匠として連れてこられました。水色の長髪に青い目の美少女で、幼い見た目ですがルーグより3歳年上です。 当初は規格外なルーグの魔力量や記憶力に戸惑ったものの、術式の法則が解明できるかもしれないというルークの言葉に興味を持ち、新しい魔法を生み出せるかもしれないと考えルーグと協力し始めました。 ルーグが自分よりも年下なため、お姉ちゃんらしく振舞おうとします。

ルーグの専属使用人であり、金髪ツインテールと巨乳が特徴の美少女です。ルーグに拾われた当初はやせ細り、骨と皮だけの姿でしたが、専属使用人として雇われた後はルーグから「健康的に育ってくれた」と言われるほど豊満な体になっています。 ルーグが暗殺の助手を探しているときに出会った少女で、平民でありながら魔力持ちであったため専属使用人兼暗殺の助手として雇われました。 折りたたみ式の槍を使い、身体能力強化術と風魔法による加速を使って戦闘を行います。 口減らしのため村から捨てられた経緯があり、主人であるルーグに心酔しています。暗殺術も施されており、暗殺の助手としても頼もしい存在です。

青い長髪に紫の目をした美女です。孤児ですが、もとは商家の娘であり高度な教育を受けていました。魔力持ちのため、ルーグに自身の右腕として引き取られます。 孤児院で虐待を受け衰弱し、人間不信になっていたところにルーグに出会い、彼を兄と慕うようになりました。 現在は、ルーグが新しく作った化粧品ブランド”オルナ”の代表として働いています。暗殺術も身に着けており、拷問などもルーグから教えられています。

この作品は、英雄を暗殺するという斬新な物語です。どうやって勇者を暗殺するのか、またどうして勇者を殺さなければならないのかと面白いポイントや謎がたくさん出てきます。 気になる方は原作小説やコミック、アニメをチェックしてみてはいかがでしょうか。