すみれの花は初恋を忘れられなかった。
何年会えなくても、何度冷たくされても。
ベッラは8歳のころから、ずっと2歳年上のルーカに片想いをしていた。
しかし、無謀なスキーで雪崩に遭った彼女を助けたせいで、ルーカが重傷を負って以来、10年間彼とは音信不通になってしまう。
たとえ憎まれていると知るだけになっても、一度顔を見て話がしたい。
兄の結婚式に現れたルーカに、ベッラは勇気を振り絞って声をかけた。
そして涙を流しながら、過去の自分の軽率な行動を謝った。
ルーカはそんな彼女に、不可解な表情で自分の脚に問題はないと告げた。
彼はいつもそうだ。私を友人の妹で、幼なじみとしか見てくれない。
それを運命の恋だなんて勘違いをして。ばかね、ベッラ。
だが失意の彼女が立ち去ろうとしたとき、ルーカに唇を奪われて……。