人は何かを決める時、合理性だけでは説明できないような
意思決定を行うことがある。
たとえば、買おうどうか迷っていた新しいスマートフォンを、
自分が尊敬している人が高評価していると、
それをきっかけに買ってしまうことはないだろうか。
あるいは、同じことを言っても、
ある人の提案は受け入れられるが、
別の人の場合は受け入れられないという場面を
見たことがある人も多いのではないだろうか。
人の意思決定を左右するような力、すなわち影響力を持ち、
それを行使するにはどのような条件が必要なのか。
本書では、影響力を「コミュニケーションの受け手に
最終的な決定権が残され、
かつ自律的に判断していると意識しているが、
コミュニケーションの発信者が事実上、
その判断を左右させることができる力」と定義する。
そのうえで、影響力の4つの特徴とリスク、
そして影響力を強める方法について論じていく。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年1月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。