「……初めての相手、わたしでよかったの?四郎だって、童貞さん、だったんでしょ?」 破瓜の痛みで涙を浮かべた輝夜がからかう。 天城家の狂信を支える、美しい銀髪と透き通るほど白い肌と、今は潤んだ紅い瞳。「……輝夜がいい」 ぶっきらぼうに、主君の一人娘の処女を奪った幼馴染が答える。「俺が好きなのは、今も昔も、ずっと、輝夜だけなんだから」 ああ、これはずるい、さすがにずるい。 自分が言わせたとはいえ、心の奥底にまで響く告白を受け、輝夜の涙腺はさらに緩んだ。 わたしだって、そうよ。 昔から、ずっと、あなたしか見てなかった。 だから、こうして結ばれて、本当に幸せ。 たとえ、これからどんな運命が待っていても、わたしは、きっと、この幸せを忘れない。 時は戦国。天城家にも滅亡の危機が……