脳の中にいる“亡霊”よ、おまえは誰だ!? 強盗に頭を撃たれた成瀬純一は、脳移植手術により奇跡の生還を果たす。だが彼の頭の中には、もう1人の自分が…!! 東野圭吾原作による脳移植ミステリー。
職場に復帰した純一は、同僚が驚くほど以前より積極的に仕事をこなすようになっていた。だが同時に彼は、職場の環境や、同僚の仕事に対する姿勢に物足りなさを感じるようになっていく。そして遂には、仕事に関する言い争いの末、無意識のうちに先輩の酒井を半殺しの目に合わせてしまった。純一に脳を提供した関谷時雄の父・明夫によれば、時雄はひどく凶暴な性格だったという。その時雄の性格が、純一の脳の中で目覚めてしまったのだろうか…?
今まで気にならなかった隣の部屋の物音が妙に癇(かん)にさわり、純一は壁に向かってグラスを投げつけてしまった。ずっと気弱でおとなしい性格だった自分が取った思いがけない行動。自分で自分をコントロールできないことに恐怖を感じた純一は、翌日病院へ行き堂本を訪ねる。堂本は一過性の現象に過ぎず、心配することはないと言うのだが…(第10話)。