｢ふらいんぐうぃっち｣のレビュー・感想

「魔女」のしきたり、ご存知ですか。15歳になったら独り立ちをして、家を出る……。一人前の魔女になるため、青森に引っ越してきた少女の物語です。
この作品の魅力は、魔女を目指す真琴が本当に身近に思えるところ。極度の方向音痴だったり、スーパーに並ぶホウキでお試し飛行してしまったり、一見マイペースな普通の女の子にしか見えません。舞台が青森という、魔法なのに「和」の世界観も高ポイントです。

見習い魔女である主人公が一人前の魔女を目指す。……という物語設定ではあるのですが、正直、途中から「あっ、そういえばこの子魔女だったわ」とつい忘れてしまうほど、何気ない日常が描かれた作品。
おまけにほのぼの展開が続いていたかと思うと、唐突にシュールな笑いをぶっこんでくるため、思わず笑みがこぼれてしまいます。きっと読み進めるにつれ、さっきまで思い出していた嫌な出来事なんかどうでもよくなってしまうはず。