｢おひとり様物語｣のレビュー・感想

いろんな「おひとり様」の姿を描く短編集。別れのシーンだったり、ずっと１人で暮らしてきた生活が垣間見えますが、どれもとても前向き。おひとり様の生活って悪くないんじゃない？　と思わせてくれます。１人が寂しい、って思ったら、この作品の中に出てくるヒロインたちの生活を真似してみるのもいいかもしれません。心に少し、余裕が生まれそう。

いろんな「おひとり様」が出てくる短編オムニバスです。
独身女子のマンガというとなんとなくギスギスしたイメージになってしまいがちですが、ほんわかした読了感を味わえるのは谷川史子先生のマンガならでは！出てくる「おひとり様」たちがみんな可愛らしいです。
不安や孤独に押し潰されそうなときに読んで、ちょっとホッとしたあたたかな気持ちになれます！

周囲がどんどん結婚していく中、彼氏もおらず「おひとりさま」状態になっちゃうあらゆる原因をオムニバスにしてさらしてみました。という残酷なマンガといっていいのではないでしょうか。
おひとりさまが実は楽なこと、でも寂しくでとうしようもないこと、でも勇気が出せない事、傷つくのが怖いこと、本音でぶつかるとか出来ないこと、逃げてしまうことなどなど、どうして恋愛が出来ないのか、どうして結婚に至れないのかコレを読んで本気で考えてみるのもいいのかもしれません。

長くつきあっていた彼氏と別れたとき、一人の時間が長く感じられて途方にくれてしまう、なんてことありますよね。でも、一人の時間になれてきたら、一人が心地よく感じて、誰かと一緒に過ごすことが億劫になってしまったりも。
本作では、そんな「おひとり様」たちの心の機微が丁寧に描かれています。おひとり様のあなた、かつておひとり様だったあなたにおススメの一冊です。