「ときめきトゥナイト」「ママレード・ボーイ」が連載されていた雑誌「りぼん」。その黄金期と呼ばれる80〜90年代を代表する作家の一人、水沢めぐみ先生による大ヒットマンガが「姫ちゃんのリボン」です。水沢めぐみ先生は80年代に「心にそっとささやいて」でデビューし、「ポニーテール白書」「空色のメロディ」「トウ・シューズ」など数多くの少女マンガの名作を生み出してきました。
「姫ちゃんのリボン」とは?
元気で天真爛漫な女の子・野々原姫子が、呪文を唱えるとほかの誰かに変身できる不思議な赤いりぼんを手にし、様々な経験を通して成長していく物語。 「パラレルパラレル、○○になあれ!」と唱えるとその人物になれるという力に魅了され、「自分も姫ちゃんになれるかも」と姫ちゃんに憧れたアラサーアラフォー女子も多いはず。 恋愛あり友情あり、現実世界に基づいたファンタジーのため、感情移入もしやすく誰にでも読みやすいストーリーになっています。姫ちゃんの人間として心が変化していく様子はもちろん、恋愛模様もとってもピュアで初々しくキュンとします。 仲間を大事にする姿勢など、人として大切なことを改めて考えさせられる作品でもありますが、大人になった今読むことで忘れかけていた何かを取り戻せたような気持ちになるでしょう。
あらすじ
おてんば中学生・野々原姫子。ある日、魔法の国の王女エリカが現れ、1年間観察するかわりに、他人に変身できるリボンをくれる。早速、お姉ちゃんの愛子に変身して外に飛び出す姫ちゃん。と、そこへ憧れの支倉先輩が…!!
登場人物
野々原 姫子
本作の主人公。風立市立風立第一中学校一年生。 ショートカットが特徴のおてんばで元気な女の子。猪突猛進で考える前に行動するタイプ。 魔法の赤いリボンで他人に変身することができる。変身の効果は1時間で、鏡の前に立たないと変身できない。運動は得意だが成績はあまりよくない。支倉先輩が初恋の相手。
ポコ太
姫子の13年来の親友であり相棒。オスライオンであり猫ではない。 姫子の話し合い相手のぬいぐるみだったが、リボンをつけている間のお供として魔法の力で動き話せるように。常にそばにいてくれる優しくて心強い味方。
小林 大地
姫子の同級生でスポーツ万能で勉強もできる人気者。 問題も起こすが、優しく頼りがいがある弟思いの少年。もう一つの家(廃墟)をきっかけに姫子との距離が近づいていく。 姫子とよくケンカするが、いざという時は助けてくれる心も見た目もイケメン。感情豊かでいろんな表情を持っている。
エリカ
魔法の国の王女で姫子にソックリ。 ロングヘアーでおっとりしたタイプなので性格は姫子と真逆。王家を継ぐための修行として自分にうりふたつの姫子の様子を観察することに。そのお礼として姫子にリボンを託す。 遠く離れた異世界に住んでいるが、困った時は姫子の力になってくれる。
日比野 ひかる
姫子と大地の同級生。小林大地ファンクラブの会長であり、美人だが自信家で性格がキツい。大地と仲の良い姫子をライバル視しており、なにかとトラブルの元に。姫子の変身について疑問を持っている。
支倉浩一
姫子の初恋相手の先輩。誠実で真面目な憧れの先輩だが、彼の好きな相手を知りショックを受けることになる。姫子が先輩に変身したことがきっかけで大きな問題に。
有坂静(セイ・アレイ)
長身イケメンの転校生。有坂静と名乗っているものの、その正体は実は驚くべき人物。姫子に何かとまとわりつきアプローチしてくる謎の男。王子様キャラだがどこか怪しさが漂う。
魅力ポイント
(1) 王道の少女マンガとは一味違う!姫子の成長物語
違う誰かになってみたい。誰もが一度は抱くその妄想が現実になるとしたら? 「姫ちゃんのリボン」は魔法世界と現実世界が交差するファンタジーですが、現実生活に基づいてストーリーが進んでいくので、ごく自然にその世界へと入り込むことができます。「自分にもこんなことが起こるんじゃないか」と連載当時に妄想にふける子どもも多かったはず。ありえそうでありえない、絶妙な不思議さが少女たちの心を鷲掴みにしていました。 天真爛漫でまだ世の中を知らない姫子が、魔法の力をきっかけに大きく成長していく姿は胸にジーンときます。 人のあたたかさ、世の厳しさ、酸いも甘いもすべて経験して、少しずつ大人へと階段を登っていくんですね。
(2) バレたら終了!そのスリルがたまらない
姫ちゃんのリボンの最大の弱点は「バレたらそこで終了」なこと。 変身の力を他の誰かに知られてしまうと、姫子の記憶は消されてしまい相棒のポコ太はぬいぐるみに逆戻りしてしまうのです。 慎重に変身しなければいけないのに、思い立ったらすぐ行動タイプの姫子は無茶をしてばかり。若さならではなのか、雑な性格ゆえなのか。スキだらけの姫子に読者はヒヤヒヤ!
大地にも怪しまれ、ついには目の前で変身することに!? バレたらどうなってしまうのか、ドキドキしつつも勇気のある姫子の背中を押してあげたくなります。「他人にバレてはいけない」のは特殊能力を持つ人間の宿命!このスリルを楽しみながら、姫子の成長を見守りましょう。 勝手にライバル視してくる同級生の日比野さんにも、何度も疑われてピンチに陥るのでどう切り抜けていくのか見所です!
(3) 大地との恋愛模様に胸キュン!
恋愛恋愛していないのが「姫ちゃんのリボン」の面白さの一つではありますが、それでもやっぱり大地との恋の行方は物語の大きな柱になっています。 「こんなやつ好きじゃない!」とお互いツンケンしながらも、困った時には助け合い励ましあっている姿にキュンキュンしまくり!特に、大地が不意打ちでイケメン発言をする瞬間がたまりません。 お調子者だったり真面目だったりといろんな顔を見せる大地に、恋に鈍感な姫子もこれには惑わされているようで!?姫子の様子を見ていると、初恋相手の支倉先輩はただの憧れで「恋に恋する乙女」状態だったのかなぁと思わずにはいられません。 お互い好きかもわかっていないけど惹かれ合っている様子にムズキュンが止まらない!
メディア情報
1992年-テレビアニメ化 1993年-小説・ミュージカル化
まとめ
いかがでしたでしょうか?読書のお時間ですで配信されている「姫ちゃんのリボン」は全6巻ですが、ビッグボリューム版で1巻につき約300ページほどあるのでたっぷり楽しめますよ!続編の「姫ちゃんのリボン 短編集」やリメイク版の「姫ちゃんのリボン カラフル」もまた違った世界観を堪能できるので、そちらも合わせてチェックしてみてくださいね。