関連書籍を含めたシリーズ累計発行部数1000万部(2018年11月時点)を超える原作・伏瀬、漫画・川上泰樹、キャラクター原案・みっつばーによる異世界モノ作品。 ある意味無敵!?な能力を持つスライムを主人公とした異世界に引き込まれる物語の魅力をご紹介します。
『転生したらスライムだった件』とは?
本作『転生したらスライムだった件』は、いわゆる異世界転生ファンタジーで、剣と魔法の世界を舞台にしています。みんなが想像する最弱のキャラ・スライムではなく、最強のキャラとしてスライムが描かれている一風変わったファンタジーです。 ゲームではドラゴンクエストやファイナルファンタジー、漫画ではダイの大冒険などがお好きな方ははまること間違いなしです。ゴブリンなども出てくるので、ロードオブザリング好きにもおススメです。月刊少年シリウスにて連載中です。
転スラのあらすじ
37歳で童貞の日本人、三上悟(みかみさとる)は通り魔に襲われて死亡し、異世界にスライムとして生まれ変わりました。スライムとなった三上は、たまたま出会った強大な竜のヴェルドラ=テンペストと親しくなり、「リムル=テンペスト」という名前を得て、魔力感知によって外界を把握したり、人語を話したりする能力も獲得します。 ヴェルドラのいた洞窟でモンスターを吸収して修行を積んだリムルは、外に出てみたところ、自分が強大な魔物扱いされていることを知ります。そしてリムルはゴブリン族と牙狼(がろう)族の戦いにゴブリン族の助っ人として介入し、その結果として両方の部族を統合して率いる立場となります。 ゴブリンも牙狼も、もともと個体で名前を持っていませんでしたが、それでは不便だと、リムルは仲間全員に名前を付けます。すると、ゴブリン達も牙狼達も名持ちの魔物となり、その影響で外見までもが大きく変わり、高い能力を身につけます。 その後、リムルは技術面での協力を求めてドワーフの国「武装国家ドワルゴン」に赴くが、そこでトラブルに巻き込まれ国王のガゼル・ドワルゴ臨席の裁判にかけられてしまいます。
登場人物・キャラクター
リムル=テンペスト
大賢者と捕食者のスキルを持ったスライム。童貞の37歳、独身貴族で大手ゼネコンに勤務していた「三上悟」という日本人が死後に異世界に転生した姿。 前世では男性だったが、現在は無性。「リムル」という名はヴェルドラ=テンペストが付け、「テンペスト」という苗字はリムル=テンペスト自らが名乗っています。前述のスキルを活用し、数多くの民と種族を従え、「ジュラ・テンペスト連邦国」の国主となります。
ヴェルドラ=テンペスト
十大魔王にすらも恐れられる危険度「天災級(カタストロフ)」の巨大なドラゴンです。300年ほど前に、当時の勇者によってジュラの大森林の中にある洞窟に封印されました。 その勇者は可憐な少女で、見とれたため負けてしまった説もあります。(笑) 以来、洞窟から抜け出せなかったが、リムル=テンペストと出会い、リムルの体内の異空間に封印もろとも格納され、現在は対外的には行方不明の状態となり、世間を騒がせています。 ヴェルドラにとってリムルは初めての友達となります。暴風竜の異名を持ち、みんなから恐れられているが、その割に性格は好奇心旺盛でお調子者のようです。おだてられるとすぐ調子に乗って気を良くし、長期に渡って封印されていたこともあって寂しがりでもあります。
リグルド
ゴブリン一族の村長。リムルが村を統治したあとの最初の部下となります。当初は、写真のようによぼよぼの老人の姿であったが、リムルに名前を与えられた影響で、ゴブリンロードとなって若返り、筋骨隆々な壮年の姿になります。その後、さらにゴブリンキングになり、部下を率いて「ジュラ・テンペスト連邦国」のまとめ役をするようになります。
ゴブタ
ゴブリン一族の若者。リムル=テンペストの初期からの部下の一人。名持ちの魔物となった影響でホブゴブリンになったが、ほかのゴブリン達とは異なり、外見はあまり変わっていません。のちに嵐牙狼(テンペストウルフ)に騎乗するゴブリンライダーの隊長に就任するようになります。
カイジン
ドワーフの武具製作職人。「武装国家ドワルゴン」の出身で、男性であるが、年齢は語られていません。超一流の鍛冶職人として、その名は人間の世界にまで知れ渡っており、ドワーフ王国警備隊隊長のカイドウの紹介により、リムルと知り合います。大臣であるベスターが、リムル=テンペストに無礼を働いたのを見咎めて殴ったことで裁判にかけられてしまいます。
魅力や見どころポイント
(1) 雑魚キャラのスライムとは違う、リムルの能力がすごい!
皆さん、異世界ファンタジーのスライムと聞いたら、ドラゴンクエストの最初の頃に出てくるあの雑魚キャラのスライムを想像しますよね?でも違うんです。 本作の主人公・スライムのリムルには他人の能力を自分のものにできる“捕食者”と冒険をサポートしてくれる“大賢者”というユニークスキルがあり、戦闘では強大な力を発揮します。捕食者の能力があったら、何にでもなれるので、最強のスキルなのではないでしょうか。 また、37歳童貞だったため大賢者のスキルを獲得できた?というクスッと笑える設定にもなっています。リムルは、元々人間でしたが、今後スライムから形を変えるのか注目です。
(2) ファンタジー好きにはうれしい、多数の空想上の生き物が登場!
ゴブリン、魔王、ドワーフ、オーガ、デーモン、エルフ等々、異世界ファンタジーには欠かせない空想上の生き物がたくさん登場します。 ただ単に多くの生き物を登場させるだけではなく、それぞれの種族の特徴や文化の設定、関係性も描かれており、単に敵味方として描かれている作品とは一線を画しています。
(3) 臨場感あふれるバトルの描写!
前述のとおり、主人公リムルは、捕食者と大賢者のスキルを持っています。最初の頃は、とりあえず周りにあるものを捕食していたりしましたが、洞窟で食べた蜘蛛の能力が飢狼族との戦いで役に立ったり、知らずに食べていた草が回復薬として使えたりと能力を存分に発揮しています。 それらの能力を発揮して、敵を一方的に倒す描写は読んでいて痛快です。
(4) 漫画だけじゃない、原作者・伏瀬による書下ろし小説付き!
巻末には原作者書き下ろしの短編小説も収録されており、ヴェルドラの視点からの物語となっています。 冒頭は、リムルとの出会いと胃袋に格納されるまでをヴェルトラの視点から書かれ、途中からは本編には出てこないリムルの胃袋に格納されているヴェルドラからの視点というサイドストーリーなので、1冊で2度おいしい構成となっています。 漫画を読んだ後に読むと、各キャラクターや状況も想像しやすく(もちろんこちらも面白い文章なので)、サクサク読み進められます。
原作について
マンガやアニメにもなっている転スラですが、原作は小説投稿サイト「小説家になろう」で投稿されたweb小説です。原作のWeb版は既に完結しており、その結末が一時話題となりました。
※ネタバレ※ 原作Web小説版「転スラ」最終回の結末
原作の小説では、ユウキとの死闘の末ついに勝利を果たしたリムルのその後が描かれています。 心残りを解消させるためリムルは転生前の世界に移動し、転生するきっかけとなった通り魔殺人事件を食い止め、転生前の姿である三上悟の死を回避します。無事命を救われた三上に対して能力のひとつである「多重並列存在」を用いて、リムルとして体験した転生後の記憶を三上にも分けて移します。 意識を取り戻した三上は、お見舞いに来ていた後輩に対して、リムルから移された記憶をもとに「俺が異世界に行っていたら信じるか?」と問いかけ、「俺が『転生したらスライムだった件』について――」という語りで物語は幕を閉じます。
原作最終回がひどいといわれた理由
最終回について賛否両論あった理由として、夢オチだという意見が多くあります。 ラストは本来なら「多重並列存在」により三上に分けられたリムルとしての記憶を語りだすというシーンでありますが、病院で目が覚めた三上がおもむろに話だしたため、夢オチだと感じた人が多くいたようです。しかし、三上の世界にやってきたリムルを見たという後輩の証言から現実世界でリムルとの接触があったことが明記されており、夢オチというにはズレがあるように感じます。
賞讃の声
もちろん結末にたいしての賛成派の意見も多数ありました。 自然な流れでのタイトル回収による面白みや、全体を通してのまとまりのよさを評価しているファンの声が目立っています。
メディア・トレンド情報
ライトノベル小説
マイクロマガジン社(GCノベルズ)よりソフトカバー版、電子書籍版と合わせて現在も続刊中です。 現在発売されているマンガ25巻ではライトノベル版9巻「魔都開国編」の途中までの内容となっています。
テレビアニメ
転スラは現在3期放送中と、アニメもその人気を博しています。それぞれ細かい情報を紹介していきます。 第1期は、2018年10月から2019年3月までの2クールで放送。マンガ1巻~12巻54話までの内容が収録されています。 第2期は、2021年1月から1クール目放送され、マンガ12巻55話~15巻70話までの内容が収録されています。その後、同年7月から2クール目が放送され、マンガ16巻71話~19巻86話までの内容が収録されています。 第3期は2024年4月より連続2クールで放送中です。マンガ19巻87話からのストーリー内容となっています。
アニメ劇場版
2022年11月には劇場版「転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」も放映さました。こちらは完全オリジナルストーリーとなっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 転スラは全体を通してしっかりとしたストーリーが組まれた冒険ファンタジーです。 普通のRPGでは、最強の敵として出てきそうなヴェルドラとの関係性やどのような敵が待ち受けているのか、今後のストーリー展開に注目です。
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転生したらスライムだった件1
ライトノベル何という事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた……はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない……。そんな状況の中、自分があの“スライム”に転生してしまった事に気づく。最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター“暴風竜ヴェルドラ”と出会ったことで運命は大きく動き出す――。 ヴェルドラに“リムル”と名付けてもらい、スライムとして新たな異世界生活をスタートさせた矢先、ゴブリンと牙狼族との争いに巻き込まれ、いつしかモンスターたちの主として君臨することに……。 相手の能力を奪う『捕食者』と世界の理を知る『大賢者』、二つのユニークスキルを武器に最強のスライム伝説が今始まる! ※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。